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朝鮮総督府の残骸を見に天安へ

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ある日、韓国に関係して長い日本人の知り合いが言った。
「解体される前の朝鮮総督府の建物を見たことがある」。

うおー、それは羨ましい!
…と思ったけれど、よくよく思い出してみると、1991年に初めて韓国旅行に来たときに、当時国立中央博物館として使われていた、元・朝鮮総督府の建物を訪ねていたことを思い出した。
ほとんど記憶にないけれど、とても天井の高い展示空間を憶えている。

今は解体されて、朝鮮総督府の建物は跡形もなくなってしまった…と思っていたが、実はその部材がけっこうたくさん残されていることを知った。
近場では、ソウル歴史博物館の庭にある。
そして、忠清南道天安にある独立記念館には、ドームの上の塔をはじめ、たくさんの部材が展示されているという。
これは行かねば!

というわけで、家族旅行を兼ねて行ってみることにした。
地下鉄1号線に乗ってソウルから2時間、天安駅に到着する。更に天安駅前から市内バスに揺られること30分。やっと独立記念館の駐車場に到着した。
妻は高校生の時に学校で訪問し、個人的に友達と来たこともあるという。

こういう記念館にはありがちなモニュメンタルな空間。
入り口から一直線に伸びる道には塔が立ち、太極旗の林の向こうには伝統建築のスタイルの巨大な建物があった。
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銅像がバカでかい。
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その裏には展示室があり、韓国の起源から、日本による統治、光復までの歴史を綴る展示があった。予想通り、日本人にとってはいたたまれない展示…。

そして最後の展示を子どもたちが見ている隙を見て、見たかった朝鮮総督府の残骸を見に。

ここはメインの観覧ラインから外れたところにあった。日没前で人もほとんどいない。

案内板にはどの部材がどこに使われていたかを示されていた。
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でも、説明がある部材だけでなく、もっとたくさんの部材があった。

数段の階段を登ると…。
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圧巻!
ドームの上に載せられていた塔を中心に、円形にたくさんの部材が並べられていた!
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「日本帝国主義の没落」という意味を込めたということをどこかで聞いたことがあるが、廃墟となったローマの神殿を思わせる。
説明によると、「部材を粗末に扱う形で展示して、日が沈む方向に配置、塔を地下5mに配置した」とある。
なるほど、そういう意味を聞いたらそう思えなくもないが、それよりは、この空間の、荒涼としていながらも美しい、そんな姿に感動を覚えた。
見る人によっては「こんなにされてしまって!」と残念がるかもしれない。あるブログの記述によると、日本政府からは移築するから解体を待ってほしいという依頼があったが、それを無視して解体したというので、そういう面から見たら「残念」に思う人もいるだろう。

でも、私としては部材を残してくれただけでありがたかったし、それをこんなにかっこよく残してくれたことに感謝したかった。
本当に、個人的には片道3時間かけて行く価値はあると思う。
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本当は、この総督府の残骸を見て来たことを、SNSに上げる時にどきどきしたのは確かだ。特に韓国の知り合いたちがどういう反応するか分からなかったので、韓国語では「かっこいい」という感想を書かなかった。
でも、私の写真を見て韓国の知り合いは「いいね!」とか「超いいね!」を残した。
少なくとも私の周りにはあの残骸を見に行くことを「ダークツーリズム」と捉えている人は少なかったのではないだろうか。
とてもオキラクな考えかもしれないけれど。

気になった人はぜひ訪ねてみてほしい。
天安駅から独立記念館までは、400番か383番バスに乗り、「独立記念館駐車場」下車。

by matchino | 2019-02-13 21:23 | 忠清南道・大田 | Comments(0)