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ソウル歴史博物館の展示「ディルクシャと琥珀のネックレス」

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私がもっとも愛する博物館、それはソウル歴史博物館。
昔は博物館なんてほとんど関心なかったけれど、ソウルで街歩きをするようになってから、ソウル歴史博物館がどれほど面白い博物館かということを知った。
常設展もいいけれど、毎回二つずつ開かれている企画展がすばらしく、一つの展示を2〜3回は訪ねて解説の一つひとつを読んでいる。
展示を見ながら、学芸員になったらよかったと、今更ながら人生を後悔したりもする。

で、いつも興味深い企画展示なのだけれど、今回の展示は特に紹介したくて書いてみることにした。
展示のタイトルは、「ディルクシャと琥珀のネックレス」。
以前もこのブログで紹介した洋館「ディルクシャ」に関する展示だ。
ディルクシャとは、日本統治時代の朝鮮半島で鉱山を営んでいたアメリカ人のアルバート・W・テイラーと彼の妻で元俳優のイギリス人、メアリー・L・テイラー夫婦が住んでいた家。
太平洋戦争が始まることで、1942年に彼らは国外追放となり、この家の正体は謎に包まれていたが、ある大学教授が彼らの息子であるブルース・テイラー氏から依頼されて彼が韓国で両親と共に暮らした家を探す中で、2006年、ディルクシャが彼らの家であったことが確認されたのだ。
テイラー夫妻の韓国での体験はメアリー・テイラーの自伝「琥珀のネックレス」に詳しく書かれている。

これはその自伝の原稿。
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2015年にブルース氏は亡くなったが、2016年にその娘のジェニファー・テイラー氏がディルクシャを訪問。ソウル市はこのディルクシャを復元することに決定した。そしてジェニファー氏は祖父母の遺品をソウル歴史博物館に寄贈した。
今回の展示は寄贈された1026点に及ぶ遺品と共にテイラー夫婦に関するエピソードを綴っている。

テイラー夫婦の収集していた韓国の骨董品や、
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ブルース氏が生まれた1919年に彼のベッドの下に隠されたという3・1独立宣言文、
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テイラー氏が撮影した高宗の国葬の写真など、貴重な遺品がたくさんある。
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そしてメアリー・テイラーの自伝「琥珀のネックレス」に登場する琥珀のネックレスも展示されている。
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企画展の期間は2019年の3月10日まで。
この展示とともに、ディルクシャもぜひ訪ねてみてほしい。

おまけ。
スカルを見て、パンクかゴシックかと思ったら
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セブランス連合医学専門学校の卒業アルバム。

なぜこれが展示されているかというと、当時、南大門の近くにあったセブランス病院の写真が収められているんだとか。
メアリー・テイラーがセブランス病院で息子を産んだときに高宗の国葬を目撃したとのこと。

# by matchino | 2019-01-03 22:20 | 展覧会 | Comments(0)

〈釜山旅行〉思ったよりも面白い! 龍頭山に登る道 その4

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釜山・龍頭山の周辺を歩く旅、夜アルキ編が入ってしまったが、昼アルキの後編。※前編はこちら

龍頭山は今はタワーが建っているが、日本統治時代には神社があったという。その遺構は無くなっていたとしても、階段ぐらいは残っているのではないかと思っていた。
解説士が教えてくれたのが、ここに「草梁倭館」という機関があったということ。

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17世紀、日本との交易を担当した機関で、1876年に江華島条約が締結されて日本公使館が設置されるまで草梁倭館があったという。
やっぱり釜山は昔から日本との関係が深かったのだなあ。
そして、夜に見つけて「もしや神社の階段か?」と思っていた階段は草梁倭館のものらしい。こりゃ神社の古さどころじゃないというわけだ。
その脇に見つけた空き地は、木は生えているけれど平地されていて、家か何かの建物があったのだろうと推測できる。いつ、何があったのか、そしてなぜ跡形もなく消えてしまったのか、気になるなあ。
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タワーに登ってみた。

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展望台からとりあえず自分の興味ある部分を切り取る。
それにしても、釜山の街は海あり山ありで変化があって、空から見ても面白いな。街と山と川しかないソウルよりずっと面白い。
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国際市場の方向

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夜に歩いたあたり

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気象台

タワーから出て、歩き疲れたのでカフェで休憩をと思い、昨日見つけた漢城銀行の建物に行ってみることに。
でも、あの暗闇の中で見た雰囲気とはだいぶ違う…。この色は何…?

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誰かが言った。
「夜はいろんなものを魅惑的に見せるんですよ。女性も同じ…」

その他にもところどころに興味深い建築が。
釜山、もっと歩いて、街の歴史についても研究してみたいな。

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# by matchino | 2019-01-02 22:57 | 釜山 | Comments(0)

〈釜山旅行〉思ったよりも面白い! 龍頭山に登る道 その3

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龍頭山の麓から東へ向かうと海に出るが、そこに釜山税関がある。
1911年に建てられたレンガ造りの美しい建物だったが、1979年に建て替えられ、今は塔の上の部分だけ残っているという。
設計は渡辺節。
今回の夜アルキの最終目的地はそこなので、疲れた体を引きずりながら海を目指す。

途中で出会ったビルもとっても愛らしいので、なかなか前に進まない。
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そしてやっと税関の前までやってきたが、どちらに回ったら入り口に出るのか分からない。
とりあえず右の方へ進んでみた。
ところが、海辺に出てしまった。税関はあちらに。
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でも、夜の海の風景もいいな。

さて、もと来た道を戻って、反対の方向へ歩く。
税関の建物の真ん中に入り口があり、シャッターが閉まっていた。
そして入り口には昔の税関の模型が!
おお、これだこれだ!
これがここに建っていたのか…。この建物が海に向かって建っている姿を思い浮かべてうっとり。
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ここからもう少し歩くと、税関の正面に回ることができた。
税関の建物の前庭に、昔の建物の塔が残されていた。
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写真で見たときは「わざわざこれだけ残すか…」と思ったけれど、実際に目の前にするとやはり残してもらってよかったなと。
見れば見るほど惚れ込んでしまうほど美しい。
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避雷針だろうか、精巧に作られた装飾!
100年以上ここで潮風を受けていたんだなあ。なめたらしょっぱいかな?

ずっと見ていたかったが、時間も遅いのでホテルへ戻ることにした。
シドニーのオペラハウスを思わせる船着場の建物や怪しげなアパートなど、気になったものはあったけど、次の機会に。


# by matchino | 2018-12-29 16:24 | 釜山 | Comments(0)

〈釜山旅行〉思ったよりも面白い! 龍頭山に登る道 その2

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釜山の龍頭山に登るツアー、いよいよ龍頭山に登るのだが、実は前日の夜、この辺りを歩いていた。夜の見え方と昼の見え方が違って面白かった。まずは夜アルキ編から。

この夜アルキの出発はチャガルチ市場から。ここから私たちが泊まった東横イン釜山駅2号店に向かうのだが、第1の目標は釜山税関。そちらに向かう途中に龍頭山に登ったというわけ。

まずは南浦洞から龍頭山の脇を通って歩く。が、その途中で怪しげな階段を発見して、そちらの道にそれてみた。

最初に見つけた古い家。
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このトマソンのドアの隙間からは赤い光が漏れていた!何の光なんだろう?
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後ろに回ってみると、その下の切妻屋根の家とつながっているよう。灯りもついていなし、気になる。

さて、さらに階段を上がっていくと、古そうな旅館。
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と、階段を上るうちに龍頭山のタワーの下まで来た。日本統治時代にはここに神社があったと聞いたが、その名残はあるんだろうか?階段が残っていたりはしないんだろうか?
探していて見つけたのが、この古そうな門。今は使っていないようだ。
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そしてその近くには階段があって、龍頭山へ登っている。石は新しいものと古そうなものが混じっているけれど、これはもしや、神社の階段!?
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階段のすぐ脇からは、さきほどの古い門の中の敷地を上から眺められる。
が、何も建物はないし、木が生えているだけ。昔はどんな家があったんだろうなあ。

こうして回っているうちに、気になる建物を発見!
あの角のアールがいい!
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行ってみると、「漢城1918」という字が光っている。
1918年に建てられたということだろう。
建物の前にあったパネルを見ると、「漢城銀行釜山支店として建てられた」と。
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そして、設計は中村與資平とあった!
わー! 釜山まで来て、何の調査もなく、偶然に中村與資平の作品に出会うとは!
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中村與資平は、1908年に韓国に来て多くの建物を設計した。
ソウルでは天道教の中央教堂が有名で、朝鮮銀行(現在の韓国銀行)も辰野金吾の設計といわれているが、実は中村與資平が設計したものだという。

この「漢城1918」という看板からして何かの公共スペースとして使われているんだろう。
調べると、カフェとして一般開放されていることが分かった。

さて、この周りにも古い建物がちらほら。

この家のベランダ! 藤棚なんだろうか、装飾がとても美しい。
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この家も、壁の帯が面白い。
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そして入り口のアール!
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門柱の上の細工も凝っている。
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門の上には紋章のようなものが。
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どんな人が住んでいた家なんだろうか。

あまりにも興味深いものが多すぎて、歩きすぎて疲れてきた…。
それでも釜山税関は見なくては! 続く!

# by matchino | 2018-12-16 20:52 | 釜山 | Comments(0)

〈釜山旅行〉思ったよりも面白い! 龍頭山に登る道 その1

釜山のストーリーツアー、今回もう一つ歩いたのは龍頭山の周辺を歩くコース。
龍頭山にはタワーがあって、昔から有名な観光地だが、実のところ、あんまり関心のなかった所。でも、歩いてみると、なかなか面白い場所だった。

歩く前に、まずは腹ごしらえから。南浦洞名物のネンチェチョッパルを食べる。
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チョッパルというと小エビの塩辛と味噌をつけてサンチュにくるんで食べるのが普通だけれど、ここのは酸っぱいソースにからめて食べる。
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カラシが鼻をツーンと刺激して、けっこうな辛さだが、酸味が豚肉の脂っこさを消して、いくらでも食べられる感じ。
大満足でいよいよ出発。

国際市場から龍頭山に向かう。いろんなものを売っているけれど、やっぱりグルメに目が行く。解説士が紹介してくれたパッチュク(小豆粥=韓国式おしるこ)の屋台があって、お腹いっぱいだったけれど、食べてみることに。
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「ネタとして」食べてはみたものの、思いのほかおいしい。日本のおしるこを思い出して涙が出るかと(ウソ)。多いかと思ったが、ぺろっと完食。

国際市場を見物しながら歩いていると、突然強い花の香りが漂ってきた。店で芳香剤でも吹いたのかと思ったとたん、店の隣に寺の入口が現れた。
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大覚寺。朝鮮時代末期の1877年に日本の浄土真宗の釜山別院として建てられたのが最初なんだという。
今は韓国の寺となったとはいえ、日本人が建てた寺が残っているなんて!
そしてその当時の痕跡が残っていて、それが大雄殿の基壇の隅に置かれた鐘なんだとか。
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よく見ると、明治や大正の年号が刻まれている! お金を寄付した日本人たちの名前も刻まれている。
これだけかと思ったら、他にも当時の名残が見つかった。

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これは地中に逆さに埋められた灯篭?
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これは狛犬?
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この灯篭も怪しい…。

それにしても、なんだか釜山って、日本に対して寛容な気がする。あるいは小さいことは気にしないのか?「ダイナミック釜山」というキャッチフレーズのように…?

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さて、先ほどの花の香りは、寺の前に植えられているモクセイの花だった。この香りのせいで、なんだか異世界にいるような気分。日韓渾然となった異世界か…?

ここから龍頭山への坂を上っていく。坂の脇にはこの付近の歴史を物語る写真。
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そして坂の途中で見えた気象庁の観測所。あれを見に行きたかった…!

というわけで、長くなったので続きは次回!

# by matchino | 2018-12-09 21:48 | 釜山 | Comments(0)