韓国建築模型の博物館「奇興聲ミュージアム」 02

計画通り無事に到着した奇興聲(キ・フンソン)ミュージアム。娘がまずは庭が気に入ったらしい。さっそく庭でかくれんぼを始めた。

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野外にはそれほど作品はなく、自由の女神と馬くらい。でも南漢江が見えて景色はいい。

ひとしきり遊んでから、いよいよ展示室へ。
ミュージアムは地上2階、地下1階で、2階と地下1階が展示室、1階がカフェになっている。
まずは地下1階から。地下1階は伝統建築の展示室。景福宮や東大門、南大門、月池など、有名な史跡のほか、多いのは、今は無くなってしまった建築の模型。

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メインの巨大な模型は、焼失した皇龍寺9層木塔。ほかにも弥勒寺9層木塔などがあった。

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確かに模型をつくる意味を考えると、なくなった建築物というのはあるだろうな。それから、巨大な建築物は全体を把握できるというのが模型の利点だろう。
大きく掲げられた写真があり、それはロッテワールド民俗博物館だという。昔、「ロッテワールドに遊びに行ってわざわざ民俗博物館なんか行くかな」と思ったが、行ってみるとすばらしいつくりに驚いた記憶がある。ここは奇興聲会長にとっても代表作だという。今度行った時に見てみよう。

それにしてもすべてがすばらしい出来。実際の部材一つひとつを同じように組んでつくられているようだ。案内の方に訊いてみると、木の部分は松の一種(聞き取れなかった)を、他の部材はFRPで作っているという。

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ひと通り見終わって、2階へ。
2階は近現代建築の展示室。
ソウル駅や63ビル、仁川空港などのおなじみの建築。

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それから、金寿根氏設計の空間社屋、京東教会、そしてヒルトップバー。

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そして今は解体されてなくなった朝鮮総督府。

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今は行けなくなっている平壌のタワー。平壌の街も再現されていた。

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そして全部木でつくられた徳寿宮石造殿。ペディメントの部分の彫刻がきれいに再現されている。

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建築に関する新しい側面をみつけた一日だった。

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帰りのバスの時間まで少し余裕があったので、1階のカフェでくつろぐ。
ここにもエッフェル塔やいろいろな模型が展示してあって楽しい。

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座っていると、白髪のおじいさんが何人かの人たちと一緒に入ってきた。
行く前にドキュメンタリーで見た奇興聲会長の顔と重ねてみると、会長さんらしかった。
どうしよう、話しかけようか…と思ったけれど、そのまま帰ってきてしまった。
挨拶だけでもしてきたらよかったかな…。
まあ、博物館の向かいにはソウルから移転してきた模型製作所があったので、ここを訪ねるたびにお会いできるかもしれない。
このあたりはいろいろなギャラリーがあるので、再訪もありえるかな、と。

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# by matchino | 2018-01-13 12:45 | 建築 | Comments(0)

韓国建築模型の博物館「奇興聲ミュージアム」 01

一つのことに興味を持つと、そこからいろいろなものがつながってくる。
今回行ってきた博物館もその一つだった。

ことの始まりは、去年のソウル国際建築映画祭。その映画祭の開幕作品は、「アパート生態系」という作品だった。ソウルの古いアパートを巡りながら、アパートをめぐるソウル市民のさまざまな生き方について描いた作品だった。とても興味深い作品で、たくさんの人に見てもらいたいものだった。
その中で気になったのが、最初から最後まで出てくるソウル市立大学の孫禎睦(ソン・ジョンモク)教授。勉強好きのおじいさんという風貌だったが、後から調べてみると、ソウル市の都市計画において重要な役割を務めてきただけでなく、韓国の多くの自治体の歴史を編纂するなど、近現代の韓国の歴史について多くの研究をされてきた方だということが分かった。

そしてこの方の著書であり、この映画の中でも何度も出てきた本があった。「ソウル都市計画物語」という全6巻にわたる本。図書館で何回か目にしながら気になっていたが、「いつかは読もう」と後回しにしていた本だった。でも、これは読まねばと思わされ、さっそく読み始めた。

で、読んでみると、とても面白い!
え、そんなことがあったのか!というようなエピソードが目白押しで、誰かに話さずにはいられないような話に満ちているのだ。

そして、この本の汝矣島の開発に関する部分を読んでいて、さらに気になったことがあった。
汝矣島の開発をするにおいて模型をつくったというのだが、その作業を行った奇興聲(キ・フンソン)会長という方だった。
韓国の建築模型といったらこの人、という有名な方で、国家的なプロジェクトのための模型作りはほとんどこの方の会社で手がけてきたらしい。最近でいえば、平昌冬季オリンピックのための会場一帯の模型作りも手がけ、オリンピック誘致に貢献した。
そして、奇興聲会長の今まで手がけてきた建築模型を展示する「奇興聲ミュージアム」が楊平郡にオープンしたという。
これは行ってみなければ!

しかし、自家用車がなければ行くのは簡単ではなさそうだ。
楊平駅までは電車があるけれど、そこから30分ほどバスに乗っていかなければならない。そのバスも何時に来るかよく分からない状態。近くにある「Dr. パクギャラリー」は、以前行こうと思いならもバスが来なくて諦めたところだった。
それでも、なんとか博物館まで行くバスの時刻表を探し、行ってみることにした。

京義中央線の楊平駅から近い楊平市場の停留場から4-9番のバスに乗る。14時40分。これを逃したら今度来るのは夕方だ。(実は他のバスもあるので1時間に1本くらいの間隔であることが分かった)
南漢江沿いの道を30分くらい走って、「チョンス2里ソンド病院(전수2리.송도병원)」という停留所で降りると、すぐ前に茶色の外観の建物が見えた。
やった! 着いた!

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前置きが長くなってしまったので、次回につづく!


奇興聲ミュージアム



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# by matchino | 2018-01-10 21:09 | 建築 | Comments(0)

釜山旅行02 168階段

旧・百済病院から少し登ったところに168階段があるが、百済病院からの道がちょっと分かりづらい。冊子を見ながら「こっちかな?」と迷っていると、「この道を上がればいいよ」と後ろから来たおばあさん。その言葉にまったく迷いがなく、私がどこに行きたいのか分かっているようだ。その訳はすぐに分かった。168階段に向かう道沿いには釜山に関連した歴史的人物などに関する案内板が並んでおり、観光客らしい人たちがたくさん来ていた。人気の観光地だったわけだ。

いよいよ階段の下までやってきた。6階建のビルに相当するという高さはそうとうなものだった。けっこうたくさんの人が階段を上っているけれど、最近、階段の脇にモノレールがつくられて、楽に登れるようになっている。

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子供たちはモノレールに乗りたがるかと思ったら、迷わず階段を登り始めた。これは意外!私も子供達の後を追いかけた。

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階段のところどころにカフェや展望台がある。展望台の一つは普通の家の屋上で、物干し台があったりする。

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やっとのことで登り切ると、展望台があった。釜山の街を見渡せる見晴らしのいいところだった。

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で、この階段、何か歴史的なエピソードがあるのかと思ったが、あんまりなさそうだ。住民に案内をしてもらったらいろんな話が聞けるかもしれないけど。

ところで、子供たちは階段がそうとう面白かったらしい。次の日に行った宝水洞の本屋通りにあった高い階段を見るなり競争を始めた。こういう時は兄弟が多いって楽しいんだろうな。

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# by matchino | 2018-01-07 17:56 | 旅行 | Comments(0)

釜山旅行01 旧・百済病院

年末年始は釜山で過ごした。
出張では何度か行ったことがあったけれど、家族で行ったのは初めて。自分一人で行くんだったら、ピンポイントで行きたいところを選んでおいて、その周りをふらつけばいいのだけれど、家族で行くのでいろいろと気を遣った。
まさに「外国人観光客」的なコースを選んだが、家族は喜んでいたようで、よかったよかった。
それでも、めったに行けない釜山なので、お父さんの趣味もとろろどころに散りばめる。
それで、私の趣味を中心として行ってきたところをご紹介。

コースを計画するのに参考にしたのが、「釜山原都心ストーリーツアー」という冊子。私の好みのコースが何通りあり、住民が案内してくれるツアーもやっているらしい。年末年始はそのツアーをやっていないということで、今回は参加できなかったが、地図を見ながら歩いてみた。
今回のコースとして選んだのは、「イバグ道」というコース。「イバグ」というのは釜山の方言で「イヤギ」、すなわち「話」とか「物語」という意味で、物語がある道という意味のコース名らしい。前から気になっていた旧・百済病院があるコースなのと、168階段という子供たちが喜びそうなスポットも入っていたので選んだ。結果、私もよかったし、子供たちも楽しめたので、行って正解だった。

まずは釜山駅から旧・百済病院を探す。大通りから少し入ったところにあり、すぐに見つかった。

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百済病院は、1927年に建てられた釜山で初の個人経営による近代式総合病院だった。
1933年に蓬莱閣という中華料理店になり、1942年には日本軍の将校の宿所として使われたという。
それにしても、病院として使われた期間がとても短いなと思ったら、韓国古建築散歩にその経緯について詳細があった。りうめいさん、いつもながらのすばらしい調査力!

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解放後は釜山治安司令部として使われ、1950年には中華民国の臨時大使館として使われた。
その後、個人に払い下げられ、1953年から新世界礼式場として使われたが、1972に火災により全焼。修理されて一般の商店として使われるようになったという。
そして現在はブラウンハンズという家具ブランドが経営するコーヒー専門店になっている。

正面から見ると左右で別々のマスになっているようで、入り口の右側のブロックが少し斜めになっている。

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中に入ると台形のエントランスホール。正面の窓は受付のための窓だったんだろうか。そして数段の階段を上って中へ。

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カフェの壁は皆レンガがむき出しになっていて、ところどころに塗った壁が残っている。何度も改装されて塗り重ねられていたものをすべて取り払ったのだろうか。一昔前だったらありえなかったけど、普通に見られるようになったのが嬉しい。

天井は木造!

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床も昔のものがそのまま使われている。

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壁には絵がかけられていて、これもコンセプトを持って選ばれたもののようで、センスが感じられる。
テーブルと椅子はスチール製のレトロなデザイン。中には派手な色のテーブルもあるけれど、それも妙にマッチしている。こういう感覚、すばらしい!

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とりあえずコーヒーを注文。私と妻はアメリカーノ、子供たちはチョコラテ。
注文すると、店員が「ポイントカードをつくりますか?」と。次にまた来るように、ということでつくってもらうことにした。
店員は「それじゃ、ここにスタンプを押してください」と目の前のスタンプを示した。
木の枠の中に名刺大のカードがあり、1から10までのスタンプが並んでいる。1のスタンプを押すと、真ん中にテーブルの絵が。2は、その隣に木が、そして3はテーブルの前に女の子が現れた。10まで全部押すと絵が完成するというわけだ。これはまた来たくなる!

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で、肝心のコーヒーだが、ちょっと酸味が効いていて、私の好みではないな…。コーヒーの味はそんなに分かる方ではないので、気になる人はお試しを。

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あらゆる点で手を抜いていないどころか、更なる工夫が込められている空間。これは人気が出るわけだ! ここは再訪決定!

さて、これから168階段へ。
続きは次回!

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# by matchino | 2018-01-07 14:53 | 建築 | Comments(0)

阿峴洞の正教会聖堂で思いがけないクリスマス

クリスマス、どこに遊びに行こうかと考えたけれど、いいところが見つからなくて、次のマチノアルキのコースとして考えている忠正路に下見に行くことに。クリスマスに一人で路地歩きか…と思ったけれど、意外にもクリスマスらしいアルキになった。

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コースは次のアルキの時のお楽しみということで、写真だけ。

そして阿峴洞まで来たので、以前「オープンハウス・ソウル」の時に訪ねた正教会の聖堂に行くことに。

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正教会というとピンと来ないけれど、ロシア正教会とかギリシャ正教会という名前なら聞いたことがある。それで、ここはロシア正教会なのかと思ったが、実は正教会の前に付く国名はその国のものなので、韓国では大韓正教会というらしい。
そして、外から見た立場では「キリスト教の一派」ということだが、初代教会の伝統を正しく受け継いでいる教会ということらしい。
そのためか、ロシアの教会にありそうなイコンが聖堂の内部を覆っている。調度品もとても装飾的で古風なものばかり。これだけでも、まだ見ぬ異国の地に来たような雰囲気で、感動した。

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前回にとてもいい印象だったので、再訪は嬉しかった。
聖堂に着いたのは9時過ぎ。入れるかどうか心配したが、正面の扉が開いていた。
入るやいなや、お香で少し曇った室内の空気の向こうに豪華な祭壇とイコンがたたずんでいた。礼拝の最中なのか、信徒の方たちが座っており、祭壇では儀式が行われていた。

ぼうっと見ていると、すぐに案内の女性がやってきて、「初めて来た方ですよね?」と、2冊の本を渡しながら前の方の席に案内してくれた。そこに座っていたおじいさんを指して「この方についてしてください」と言われ、「ちらっと見て帰ります」とも言えないままに席に座った。見物に来たなんて失礼だと思ったので、とりあえず最後まで礼拝を受けていくことにした。
おじいさんに「どのくらいかかりますか?」と訊くと、「1時間」と。まあ、それくらいならいいか…。

礼拝は、非常に儀式的な印象。
荘厳な雰囲気の聖堂によく合っている。祭壇で儀式を行う聖職者たちも、後ろのコーラスの人たちも、決められた文句を節をつけて唱え、信徒たちが全員で唱える「我らを憐れみたまえ」などの言葉も節をつける。それらの言葉の全てが韓国語に訳されているのも興味深い。基本的には韓国語で進められ、ロシア人の信徒たちのためにときどきロシア語が入る。儀式を執り行う一番上の人らしい方はロシア人のようだ。ちなみに、信徒席に座っているロシア人の女性たちは皆スカーフを被っており、皆びっくりするほど美しかった。

礼拝の様子を写真に撮りたかったけれど、失礼かと思って遠慮した。
後から探してみると、Youtubeに礼拝の動画があったので、リンク。



教会のイコンも、お香の香りも、儀式のための衣装も、聖句を唱える声も、窓から差し込む光も、全てが神々しく感じる時間はとてもよかったが、問題はなかなか終わらなかったこと。まだ1時間経っていないのだろうか。そのうちお腹が痛くなってきた。途中で立つのも失礼だしと思いつつ、そろそろ限界だという頃に時計を取り出してみると、すでに2時間が経とうとしている!数分前に入ってきた人もいるし、すぐに終わりそうな感じではなく、おじいさんに断って出てきた。
ふう、なんとか逃れられた…。

それにしても、おじいさんはなぜ1時間と言ったんだろうか。時間がかかるといったら帰ると思ったのだろうか。もしかしたら、いつもどのくらいの時間がかかっているか気にしたことがなかったのかもしれない。どちらにしろ、「1時間」という言葉があったから座っていられたので、よかったなと。


でも、この後、家に帰ると、知り合いから電話がかかってきた。
「今、阿峴の正教会聖堂にいるんだけど、来る?」と。
なにいいい!

その知り合いは、9時から行くつもりが12時過ぎに礼拝が終わってから行って、昼食をごちそうになっているという。
もう少しあそこで我慢していたら、間もなく終わっていたかもしれないのに...。
まあ、次にまた行ってみるかな。

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# by matchino | 2017-12-28 20:35 | 建築 | Comments(0)