「ソウル駅から南営駅方面に行くとガードがあるでしょ。 そこにゴルフの練習場があるんだけど、 そこに昔、キッコーマンみたいなマークが残っていたのって知ってます?」 ことの発端は、マチノアルキに参加した人の言葉だった。 30年近く韓国に住んでいる日本人のその方によると、 レンガ造りの建物で、その壁には 六角形の中に何かの漢字が書かれたマークが撤去された跡が見えたという。 1990年代の後半にはその建物が撤去されて、 今まで何人もの人にその話をしたけれど、 関心を持ってくれる人はいなかったというのだ。 それは探してみるしかない! まずは、1936年に発行された地図「大京城府大観」から確認してみる。 すると、おお、「島屋醸造場」とある! すでに答えに近づいてきた感じだ。 あとは、この島屋醸造場がキッコーマンの前身だとか キッコーマンに醸造場を引き継いだとか、そういう手がかりを探せばいいだろう。 しかし、次の手がかりがなかなかみつからなかった。 キッコーマンの京城支店があったようだが、その位置がネットでは出てこない。 そんな中、前回にも登場した街歩きグループトークにある映画のことが上がった。 「漁火」1939年 「漁火」という1939年につくられた韓国の映画で、 三國アパートがたくさん登場するという。 さっそく次に観る映画のリストに加わった。 ところで、その映画を紹介してくれた友達に例のキッコーマンの話をすると、 その映画にキッコーマンのようなマークが登場するという。 おおお、それはすごい情報だ! しかし、観てみると、亀甲に「祐」の字だった。 そして、そのマークの下に「キッコー」の文字と、横には何かの漢字が書かれている。 それで、島屋醸造場について調べていくと、こんなサイトに行き着いた。 韓国の国史編纂委員会の韓国史データベース。 戸島祐次郎という人物に関する資料だった。 このページで紹介されている島屋醸造場をつくった人は「戸島祐次郎」氏。 あ、「祐」の字! そしてさらに読み進めると… 「1906年 朝鮮に渡り、東京嶋屋商店出張所主任として京城に居住。 1908年 独立し、味噌醤油醸造業を始めて以来、20数年間努力して、 1936年現在、『亀甲祐』嶋屋醸造所をつくる」 とある。 亀甲に祐の字のマークは嶋屋醸造所のものだったんだ! キッコーマンのものだと思っていたマークは嶋屋醸造所のマークだったわけだ。 当時の写真や映像を見てみたいな…。 もう少し探してみよう。 追記 島屋醸造場のことが当時の新聞に出ていないかと思って、 ネイバーのニュースライブラリーで調べてみた。 すると、1939年9月23日付の東亜日報の記事が出てきた。 島屋醸造場に入金員として務めるソンガンホという人が 会社の金を横領して飲みまくって逮捕されたという記事だった。 何やってんだよ、ソンガンホ!(笑) ...と思ったが、その人の名前の漢字を見てみると、松岡浩。 なんだ、まつおか・ひろし、日本人かよ! ごめん、ソン・ガンホ…。
by matchino
| 2020-06-22 22:11
| ソウル
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