7月4日からサムスン美術館プラトーで、村上隆の回顧展が行われている。 展示に先立って村上氏自身も韓国を訪れて記者会見と一般の人を対象にしたアーティストトークイベントを行ったらしい。 記者会見の方の記事は、よく知らない人たち向けの記事だったけど、アーティストトークに参加した人たちのブログ記事は、ちょっと深めの内容もあって読み応えがあった。 村上氏については、韓国でも注目されている。「日本のアンディ・ウォーホル」と報道されており、西洋中心のアートシーンにアジアから一石を投じた人として有名だ。 西洋の美術において、村上氏の作品がどのように評価されているかということについては、村上氏自身が言及している内容も含めてさまざまなところで語られているが、韓国でどのように受け入れられているのかということはとても気になる。 西洋でアジアの文化を知らしめた英雄として認識されている部分はもちろんあるだろう。アーティストトークの記事をみると、PSYをはじめとするK-POPの西洋での人気について、村上氏自身が言及したということだが、韓国内でも同じ文脈で捉えている部分も少なからずあるだろう。 それと同時に気になるのは、同じアジアとしても、日本と韓国では文化も違い、アートシーンも違う中で、村上氏の作品がどのように受け入れられているかということだ。 日本的な概念がたくさん込められているが、そのような概念が理解されているのかということも気になる。 また、日本国内では村上氏の活動について多くの批判がなされているが、韓国では蚊帳の外であるためか、批判の声は聞いたことがない。 しかし、もし韓国国内の作家が同じような活動をしていたら批判されるだろうか、ということが気になる。 私の考えに過ぎないが、もし韓国で同じような作家が出てきたら、歓迎されるのではないかと思う。もちろん批判する人は出てくるかもしれないが、大きな声でいうことはできなくなるだろうし、社会ができなくさせるのではないかと思う。 その歓迎が作家自身にとって嬉しいものとなるかどうかは分からないが。でも、そうなれば作家はまた違った活動で社会を動かすのではないだろうか。 まあ、いろいろなことを考えていても始まらないので、まず展示を見に行ってみようか。 今まで村上氏の作品を見たことは何度もあるが、アジアで初の回顧展ということなので、まとめてたくさんの作品に触れるいい機会だ。 会期は12月8日まで。観覧料は5000ウォン。地下鉄1、2号線市庁駅8番出口から南大門方面に徒歩5分。
by matchino
| 2013-07-07 15:43
| 展覧会
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