大林美術館で主催している若手クリエイターのための空間、「クスルモア タングジャン」。訳すと「玉を集めてビリヤード場」となる。大林美術館では紹介されない若手のクリエイター10人を選定し、1年間にわたって11回の展示を行う。その6番目の展示が始まった。
今回の展示は、「キルジョン商街(サンガ)」という3人のアーティストによるもの。パク・キルジョン氏が始めた独特な木工所から始まった「キルジョン商街」では、家具を作って欲しいと依頼されると、依頼主と何度も会いながら新しい形の家具を提案して販売している。 フリップボードに時々彼らのニュースが上がっていて関心を持ったが、雑誌に紹介されるなど、秘かに話題を呼んでいる。いかにもかっこいいやり方ではなく、ロゴなんかもダサかっこいい感じで味があっていい。 その彼らが企画した今回の展示の名前は、「ネ(ネ)ピョナン セサン」。訳すと「君(ぼく)の住みよい世界」とでもなるだろうか。たぶん、「イ(この) ピョナン セサン」というアパートのブランド名のパロディだ。このアパートは大林グループのブランドで、大林美術館を意識した粋なネーミングだ。 韓国の誰もが望む居住空間は、アパートを中心としたステレオタイプな形に傾倒しているが、それに対して庶民の住宅は不便な構造の家で、そこを2年くらいの周期で引越しを繰り返しながら生活している。そんな状況の中で「庶民的な」生活をしている「ぼく(あるいは、君)」にとって住みよい家の姿を模索するのが今回の展示だ。 中央線の漢南駅で降り、10分くらい歩いたところにギャラリーはあった。雑居ビルの1階の、元はビリヤード場だったところだ。 クスルモア タングジャンという名前は前からのものだったようだ。青、赤、緑の円が並ぶビリヤード場特有の看板がそのまま残っている。中にもビリヤードのキューが残されていた。 少し暗くした空間で、所々にある作品の電球が光っている。美術作品の展示というよりは、彼らがデザインした家具で居住空間を作り上げたという感じだ。 一目見ただけでは何のことのないただの雑貨だが、その前で立ち止まって見てみると、ウィットに富んだ作品たちだ。 昔、タイに行った時に泊まったホテル「リフレクションズ・ルーム」を思い出させた。彼らにデザイナーズホテルをデザインさせたら面白そうだ。 一緒に行った次女はこの鉛筆立てが気に入ったらしく、買いたがっていた。 後でFBの彼らのページにその旨をコメントすると、「ご注文くだされば作りますよ」との答えが帰ってきた。漢南洞にある彼らの工房を今度訪ねてみようか。 娘がペンを指して「タングジャンだ」という。何かと思ったら、タングジャンのシンボルの円と同じ色のペンだった、という証拠写真↑ 小さなギャラリーのため、交通が不便なところを訪ねたのにすぐに見終わってしまうのが残念だが、観客との相互作用的なプログラムも行っているようなので、それも合わせると、わざわざ訪問するに値するギャラリーではないだろうか。
by matchino
| 2013-05-29 21:20
| 展覧会
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