景福宮の隣にあるギャラリー・ヒョンデで行われているチェ・ウラムの個展がテレビのニュースで紹介されていて、妻が教えてくれた。
数ヶ月前にこのギャラリーの別館でも展示が行われていたが、今回はもう少し大きな展示となった。 さっそく息子を連れてギャラリーを訪ねた。 想像上の動物を模したロボット(想像上の動物なので、「模した」ものなのかは不明だが)などのキネティックアートをつくる作家だ。今回は8点の作品があり、系統は似ているにしろ、一つひとつが違った面白みのある作品だった。 一番気に入ったのは、この「Custos Cavum」という作品。昔、この世界ともう一つの世界が穴でつながっていたという架空の話の中に登場する動物だ。二つの世界をつなぐ穴が塞がないように牙で掃除をしていたセイウチのような動物なのだそうだ。 この動物がゆっくりと呼吸しているように腹部が動き、この動物に寄生した生物がゆらゆらと動いている。 ロボットとしてデザインされた形状だが、動きがすごく自然で、息をしているような姿に、本当に生きている動物のような錯覚に陥ってくる。 「動く」=「生きている」ということではないにも拘らず、動くだけでそれが生命を持ったように錯覚するのは人間の習性なのだろうか?あるいは映画などで「知能」を持ったロボットが出てくるSFをたくさん観てきたせいなのだろうか? 考えてみると、生と死の境界線もはっきりしていないし、生命を持ったものと持っていないものとの境界線もはっきりしていない。さらに、「知能」を持ったと思わせるロボットが持ったものは本当に知能なのだろうか? そんなことを考えさせられる作品たちだった。 それにしても、どの作品も動きがきれいだ。彼の作品をよく知っているらしい人が「チェ・ウラムの作品は動きが優雅だよなあ」と話していた。 前回彼の作品を見た時は、「デザインがギーガーみたいだ」という感想くらいしか持たなかったが、今回は作品の精巧さや動きの美しさなどがよくみえた展示だった。 これは外のウィンドウに展示されていた作品。
by matchino
| 2012-11-20 22:08
| 展覧会
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