2年前、エリアソンの個展を見逃してから、彼の作品をぜひ観てみたかった。
その機会がとうとう訪れた。 あの時と同じ、清潭洞にあるPKMトリニティーギャラリーで オラファー・エリアソンの個展が開かれている。 いつものように子供たちを連れて行ってきた。 清潭駅から歩いていくと、前回、スイスの若手作家展が開かれていたソンウン・アートスペースの前を通る。子供たちの反応がよかったので、ちょっと覗いてみると、アルゼンチンの作家レアンドロ・エルリッヒの個展が開かれていた。以外にも面白い展示で、子供たちも喜んでいた。 いくつもの同じような部屋が続いていると思ったら… これは螺旋階段を横に倒したんだ! 遊園地によくあるガラスの迷路なんだけれど、ガラスがはめ込んである所とない所があって、何人か一緒に入ると不思議な感覚。 子供たちにとってはエリアソンよりも面白かったようだ。 そして、いよいよエリアソンの個展。 思ったよりたくさんの人が来ていた。 今まで写真で彼の作品を何度も見てきたけれど、彼の作品は特に実物を見ないとその真価が分からないということを感じる。 ガラスと鏡、照明を使った幻想の世界が、オブジェと観覧者との間で繰り広げられる。 「こういう作品です」と説明することはできるけれど、それよりこの作品たちを目の前にすることによる「気づき」というものがそれ以上に重要なものであると感じさせられる。 彼の作品が、光を題材にしたものであるため、光、観覧者の像や影、それを映し出す作品、そしてそれを見る観覧者の目が関係して、芸術をはじめとするすべての事象は関係性の中で成り立っているということを再認識させられる。 また、その作品を認識するのは観覧者自身の像や影によるものであるため、作品それ自体は「無」に近くなっていき、その反対に、観覧者の像や作品の中の「光」は増幅されていくのだ。 思い出せば思い出すほど、考えれば考えるほど興味深い作品たちだった。 後ろから照明が照らされて観覧者の姿が白い壁に浮かぶのだが、影のずれ方や色が絶妙で、自分の影を見ているだけで楽しい。 六角形の光が重なって、美しい模様を作り出す。写真で見るよりずっと美しく、ずっと見ていたい気持ちになってくる。 こういう展示を見るたびに、美術って最高のエンターテイメントだなあって思うんだけど、最近はそういう認識が高まってきたような気がする。美術館にたくさんの若いカップルがデートしに来ているし。そのためか、現代美術の面白い展示も多くなってきているし、いい傾向だぞ。
by matchino
| 2012-05-13 12:10
| 展覧会
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