大林美術館で開かれている、カール・ラガーフェルドの写真展に行ってきた。フェンディやシャネルのデザイナーで、写真家としても有名だ。
私はもともとそれほどファッションに関心があるとはいえないが、いつも興味深い展示を見せてくれるこの美術館の企画ということで、「行かねば」と思わされた。 写真家として様々な手法を試みている作家で、例えばこの連作は、オノ・ヨーコが踊っている姿をiPadで撮った動画をプリントしたもの。 この作品は展示開始の2週間前にできたものだという。 他の作品では、フォトショップを使って色調を反転させた写真に手で色付けをして、服の質感を際立たせたり、ポラロイドカメラで撮った写真を他の紙に写し、それにアイシャドウで彩色したり、今回の展示の題名である「Work in progress」のごとく、進化を続けていた。 また、蔵書が30万冊に上り、美術史や文学からインスピレーションを受けて作られた作品も多かった。制作の前にはいつも個人図書館に閉じこもってコンセプトワークから始めるという。 今回、気に入ったのは、ニューヨーク・ファサードという作品。ニューヨークの建物を背景に撮った写真で、建物が美しく、モデルも美しかった。この撮影が終わってから建物をもう一度撮り直したという作品がこれ。 もう一つ気に入ったのは、駅でよく見かける証明写真の機械を買い取って撮った作品。 1階のロビーには実際にこの機械が置かれており、壁には写真が大きく引き伸ばされて貼られていた。 美術館の4階では彼の撮った短編映画が上映されていた。ファッションが主となった映像ってあまりみたことがないけれど、すごく美しい。こういう映画だったらいくらでも見たい。 この美術館についてはこのブログでも何回か紹介しているが、毎回興味深い展示をしている。デザインと写真が中心だか、企画が興味深く、展示も面白いので、今までそれほど関心を持っていなかった分野にも目を開いてくれている。キュレーターの力でもあるんだろうなあ。行く度に観覧客の数も増えているようだ。 次の展示はプロダクトデザイナーの展示だという。今度も楽しみだ。
by matchino
| 2012-02-19 21:51
| 展覧会
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