職場の同僚とプラットフォーム・イン・キムサを見に行ってきた。
広い! 怖い! 現実感覚! という感じだった。 まず、建物自体、ものすごく物々しい。 軍の司令部だったというのだから、韓国の暗い近代歴史を背負っている、まさにその場所。建物だけが残っていて、ほとんど廃墟のような空間に、101人の作家の社会性の強い作品が展示されていた。 建物自体が存在感ありまくりなのだから、そこでも十分に主張し得る作品ばかりだった。 どこの部屋へ行っても、「ここで何が行われていたんだろうか」という疑問がついてまわる。想像すると、恐ろしいことばかりが思いついて、重くなってくる。 最近は忘れていたけれど、韓国はまだ戦争中なのだ、ということを思い出させる。 見終わる頃には疲れきっていたが、広くて作品も多かったためかもしれないけれど、このロケーションのためではないだろうか。 美術の役割の一つが見えていなかった現実の再確認だとすれば、今回の展示はその役割を十二分に果たしているのではないだろうか。韓国の現実というものを再確認させてくれ、これを見てからは、何を見てもそのような目で現実を再確認している自分があるのだから。 もしかしたら、今は経済発展を果たし、暗い過去を脱したように見える現実生活の中でも、韓国人たちにとっては暗い過去を引きずっているのが現実感覚なのかもしれない。私たち日本人には重すぎる現実を見せられた気がする。
by matchino
| 2009-09-05 23:45
| 展覧会
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Comments(4)
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mirine
at 2009-09-06 16:02
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今思い出すと、自分がガリバーの巨人の国に迷い込んだような感覚になる大体育館の中の、タイル状の鏡が床に並べられた上に置かれた一瞬ラスベガスかしらと思うようなキラキラ電飾のタワー、あれは書かれていた字は読めなかったけど、私にはポジティブなエネルギーとして伝わってきたわー。しかし大変な展示でしたね!
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matchino at 2009-09-06 16:29
大丈夫でしたか? あの後。心配しましたけど。
確かにあの部屋はすごかったですね。小さい部屋をたくさん見てきて、その後に、いきなりどでかい体育館で、あんなタワーがそびえ立っているんですから。度肝を抜かれました。
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クロディー
at 2009-09-07 19:05
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matchino at 2009-09-07 22:24
クロディーさん、こんばんは。
このような作品は日本人にはつくれないんじゃないかなあと思うような、というか、作品以前にこのようなシチュエーションは韓国でしかあり得ないように思いました。 美術作品って、ほかのエンターテインメントにはない深さというか、そういう何かがありますよね。
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