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筆洞のストリートミュージアムが楽しい!

FB友達が筆洞の「ストリートミュージアム」に関する記事を上げていた。週末、特に行くところもなかったので、娘を連れて行ってみることに。
地下鉄4号線忠武路駅4番出口を出て、毎日経済新聞社の裏の路地に入ってみる。どこだかはっきりは分からないで行ったけれど、うろついていたら、これを見つけた。
道端に設置されたギャラリー。

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スタンプラリーのスタンプもあるため、どこかに用紙がないかと探してみた。

さらにうろついてみると、記事にあった「マイクロミュージアム」という映像作品の展示があった。

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そして、その前には「チケットボックス24」という店。美術書籍の店で、スタンプラリーの用紙を備置してあった。スタンプを全部押すと、隣のカフェでコーヒーをもらえるという。さっそくスタンプラリーに出発した。

ここから出発!↓


ギャラリーがあったり、立体駐車場のビル全体が作品になっていたり、道端に作品があったりと、展示の仕方も多様で面白い。作品のレベルも高い。パブリックアートって今まで関心がなかったけれど、これはなかなかよかった。

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全部回ると30分くらいかかったけれど、スタンプラリーがあるので、うちの娘も楽しんで最後まで回れた。

近くにある南山韓屋マウルの中にも3つの作品ブースがあった。

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全部回って、最後のスタンプは「チケットボックス24」の隣のカフェで押してもらった。そして、私はコーヒー、娘はアイスティーを。

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このカフェも、韓屋を改造したようで、なかなかいい空間。
実はここ(なのか、このあたりなのか)は「南學堂」という朝鮮時代の教育機関があったところなんだとか。

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パンフレットをゆっくり読んでみると、2014年から行っているプロジェクトだという。今まで知らなかったことが不覚!
毎年5月と10月にはストリートアート・フェスティバルを開催しているということなので、ぜひ行ってみよう。

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by matchino | 2017-03-11 21:30 | 展覧会 | Comments(0)

日韓酒文化交流会の飲み会!

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日韓酒文化交流会の続き。楽しい飲み会!
発足式はちょっと硬い雰囲気だったけれど、この会の要旨は「楽しく飲もう!」ということだったので、こちらがほんものだろうな!

この日の飲み会は、フュージョンマッコリレストラン「シェマク」で。
「CHEZ MAAK」と書いてあるので何語なのかなと思っていたら、済州島の方言で牛小屋を意味する「シェマク」という言葉があるらしい。これかな?

上の写真が今回のレパートリーの一部。
左端は「自喜香」。果物系のフレーバーの伝統酒。
左から2、3番めはこの店で主に扱っているマッコリの「白蓮」。左のほうが「プレミアム」。
4番目は福岡支会の藤本さんがわざわざ日本から持ってきた「獺祭」。韓国人の間では大人気!
右の「澪」はどこに行ってたんだろう?これは回ってこなかったような…。

美味しいお酒には美味しい料理がないと!
この日のシェマクの料理をご紹介。

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豚の肩肉(手前)とタコ(右)。どちらも箸が進むー。

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タットリタン。のフュージョン料理。味はちょっと変わっていて、うまかったんだけど、辛すぎてあまり食べられなかったのが残念!

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豆腐キムチ。普通はサムギョプサルといっしょに食べるんだけど、ここではベーコンで。まあ、ベーコンも三枚肉だけど。

そして更に、どんどん出てくる美味しいお酒の数々!
まずは、五味子のお酒をつくるオミナラの「タル(月)」という蒸留酒。
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オーク樽で熟成したものと、白磁で熟成したものがあり、この日のは白磁のほうだそう。
ナホさんはこの蒸留酒を絶賛!
五味子の香りが口の中いっぱいに広がった。

個人的に一番美味しかったのは「甲州にごり」。
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普段こんなに飲まない私にはもったいなすぎるこのレパートリー。
飲みすぎた…笑

もう飲めないという頃にナホさんが出してきた珍島のお酒。
ナホさんが上げていたこの写真に魅せられて、飲んでみたいと思っていながらも、この日はもう飲みすぎていたので断念。
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「また用意します!」といってくださったナホさん、ありがとうございます。
このお酒についての詳細はこちら

楽しかったこの日、また集まって飲みたいメンバーでした!
ミョンさん、ありがとうございます!

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by matchino | 2016-12-26 22:06 | イベント | Comments(2)

日韓酒文化交流会が発足!

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お酒。私のFBで、建築よりも、万民が認めるかわいい我が娘よりも、反応が早かったのがこれだった。それに強烈な嫉妬を覚えながらこれを書いている。

で、何かというと、日韓酒文化交流会の発足会に招待されて参加してきた。この会を発足させたのは、酒類コラムニストのミョン・ウクさん。仁寺洞から最近、江南に移転した韓国伝統酒ギャラリーを運営する韓国の酒の専門家だ。

この日会場となったのは、オープンを控えて最後の準備をしている江南の伝統酒ギャラリー。韓国食品名人体験広報館の地下一階。
まずは伝統酒ギャラリーから見学。韓国全土のいろいろな伝統酒の話を聞きながら、試飲もできる。
地方の取材をしながら出会った伝統酒もある!

一番気になっていたのは、ここで買えるのかということ。答えは「買える」とのこと!これは朗報なのだ!
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さて、さっそく試飲。この時間に用意されたお酒は5種類。お酒にうとい私でも「うーん」とうならせる逸品だった。
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今回、試飲したお酒を紹介しよう。左から順番に

富者(プジャ)
マッコリと清酒を合わせた「合酒」。個人的には真っ先に気に入ってしまった。

ソルソンジュ
に取材に行った時に、故宅の隣で販売していた伝統酒。松の葉を入れて松の香りがするお酒。

ファンジニ
山茱萸(サンシュユ)と五味子と何が入った甘いお酒。

甘紅酒(カムホンジュ)
40度で、チョコレートのような香りがする。

CHUSA アップルワイン
アイスワインにするように甘くつくってある。りんごの産地である禮山のワイン。金箔入り。13度。


この5種類が、今年、伝統酒ギャラリーで人気のあったお酒なんだそうだ。


ギャラリーの見学が終わると、この建物の3階で日韓酒文化交流会の発足式。
ここに参加した人たちは、お酒に関するスペシャリストばかり!
交流会の役員をしているphoto fixのナホさんによると、「この方たちは、私にとっては韓流スターみたいな人たちなの!」とのこと。
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で、こういうメンバーが集まって発足した日韓酒文化交流会。ちょっと難しい話もあったけれど、結局は「楽しく飲もう!」という会。
これからいろいろな人を巻き込んでいくようなので、「入会したい!」という人は期待して欲しい。


さて、発足式の後は楽しい飲み会。
で、飲み会のレパートリーは次回のお楽しみ!

ここでお知らせ。
江南の伝統酒ギャラリーが今日オープンした!
仁寺洞よりも広くなったとのこと。お酒好きの人は江南へ急げ!



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by matchino | 2016-12-22 21:18 | イベント | Comments(0)

ちょっと残念「水原華城国際演劇祭」

水原華城といえば外国人観光客が多く訪れる華城行宮が有名だが、その華城行宮で「水原華城国際演劇祭」が開かれた。演劇というからあの演劇かと思ったら、果川祝祭と同じような野外公演の祭りだとうことで、末っ子をおんぶして妻と一緒に行ってきた。
私が住む京畿道九里市から華城行宮まではバスで1時間半。待ち時間まで合わせると2時間くらいかかる。ちょっとたいへんではあったけれど、行かずにいたら絶対に後悔するので意を決してバスに乗り込んだ。
華城行宮の前の広場には幾つものテントが張られ、ステージ用意されているけれど、思ったよりも人はまばらだし、祭りの雰囲気も散漫な感じ。果川祝祭と比べたらいけなかったかな…。

この日の一番の目的は「ナチュラル・スピリット」というブロックバスター公演。夜8時半から行われるこの日の目玉公演だ。本当は、パフォーマーたちが気球に乗って観客の上を飛び回る「色彩の飛翔」という閉幕公演を見たかったけれど、日曜日の夜で、帰ってきたら遅くなりそうなので、下見も兼ねて行ってみることにしたのだ。

常にどこかで公演が行われている果川祝祭と違って、ここではゆるーい感じで、本当に祝祭の期間中なのかと思うくらいだ。インフォメーションブースで「次にある公演は何ですか?」と訊いてみても、「フリンジ公演はずっとやっていて、6時からは○○○○がありますよ」って、超絶に親切な情報。要するに本格的な公演は夕方かららしい。

手持ち無沙汰になってふらふらしていると、「10分後にナチュラル・スピリットのリハーサルがあります」というアナウンス。それでしばらく待っていたら、舞台の前でリハーサルが始まった。
巨人が動いて話し始めたり、大きな馬が走り回って、背中に乗ったデーモン小暮的な女性が布を振り回して踊ったり、大きな鳥が観客の上を飛び回って、その下に吊るされたリングで男性がアクロバットをしたり、ほとんど全部見せてしまうリハーサルだった。
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「今夜8時半から本公演がありますので、ぜひ見てください」というアナウンスはあったけど、全部見せちゃうかー。確かに夜の闇の中で照明に照らされて、ちゃんと衣装を着てやるんだからそれは圧巻だろうけど、全部ネタばらしちゃったら楽しみは半減どころか激減しないかなあ?実際、私たちも「全部見たし、夜遅くなるから見ないで帰ろ」ということになった。
それにしても、果川祝祭ではリハーサルなんかはどうやってるんだろう?数日前にやったりするんだろうか?

リハーサルの途中に少し抜けて観たのが、映像室で上映されていた「I Spy」という映像作品。ほとんど音がないアニメーション作品で、確かに映像は美しいんだけれど、ちょっと退屈。映写の仕方もプロジェクターにつないだコンピューターからの映像で、なんかありがたみもぜんぜんない。最初のあたりはプレーヤーのインターフェースが見えていたりして、進行もひどいものだった。
Vimeoなんかで秀麗なアニメーションが無料でいくらでも見られるのに、わざわざ短編アニメーションを見せるってのはどうなんだろう?

残念なところがたくさんの祭りだったけれど、まあまあよかったなと思えたのが、韓国国内の公演団の作品「豚の宴」だった。ある二つの村で繰り広げられる男女のラブストーリーなのだが、そこに豚がやってきて、村は騒々しくなる。
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観客まで巻き込んで騒ぎを起こし、観客はわけが分からないままに楽しむが、実はその豚、富によって村人をたぶらかし、個人主義の奴隷にしてしまうのだった。韓国の社会の問題を痛烈に批判する内容で、ちょっと悲しい後味を残す作品だった。演出はよくできていて、長い布がよく登場するのだが、布が風に翻る姿がなんとも美しい。

後で検索してみたら、祝祭自体は酷評されていた。やはり果川祝祭を待つしかないのか…。

と思っていたら、さらにバッドニュースが入ってきた。
果川祝祭が大幅に縮小! 海外公演キャンセル!
なんだそれは!
たぶん、市長が変わったことで政策が変わってしまったんだろう。
で、縮小の理由は、海外公演を呼ぶのに相当なお金がかかるが、一般市民には理解しにくい難解な内容が多いということだった。
確かにそうかもしれない。難解でもいいとは思うのだが、一昨年観た作品のようにバイオレンスだったり、性的表現がもろにあったりして、これは18禁じゃないかと思う作品もあったため、それが問題になったんじゃないだろうか。
それでも18回も続いてきた祭りを止めてしまうのはあまりにも惜しい。その代わりにやるのは競馬場関係の祭りというし、果川、どうなってるんだ!

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by matchino | 2014-08-19 21:49 | イベント | Comments(0)

レクチャー「看板に見る近代ソウル風景」

文化駅ソウル284(旧ソウル駅舎)で連続で行われている近代文化の講座。
前回は看板研究家のクァク・ミョンヒ氏を招いて「看板に見る近代ソウル風景」というテーマで講義、討論が行われた。


韓国の看板の歴史についての講義と、これからの看板の行方について熱い討論が行われた。

韓国で看板が本格的に使われだしたのは、日本植民地時代で、「看板(간판)」という言葉も日本から来た言葉なんだという。

講義をしてくれたクァク氏は、日本での滞在経験も長く、今はニューヨークで活動しているというが、現代韓国の雑多で画一的な看板文化を批判しながら、アメリカや日本のようにデザイン的にも視認性にもよく考えられた看板をかける文化をつくらなければならないと主張していた。


韓国の近代史の中で看板は2回の受難期を経ている。1回目が解放直後の日本の看板の廃止、そして2回目がハングル使用の奨励による漢字の看板の廃止の時期だ。

このような政策によって中国の文化大革命にも似た受難を経ることで、よい看板が一掃されてしまったのだという。

しかし、周りからの迫害に屈することなく古い看板を守り抜いた人もいるという。そのような人たちによって文化は守られていくのだろう。


もう一つ、初めて聞いた話は、韓国には看板に関する法律(条例かな?)があって、ハングルを必ず入れなければならないのだという。

英語で書かれた看板の端に小さくハングルで表記されているのは、読めない人に対する配慮でもなんでもなかったんだ!

これは「ハングルを守るためにはハングルを使うようにしないと!」と主張する人たちによる偽善的な政策なんだそうだ。

こういう人たちは文化を守るのではなく、かえって壊してしまうのだという、クァク氏の主張にとても共感した。


韓国の近代を語る時に日本を抜いて語ることはできない。もちろん、現在と未来においても日本との関係なしには語れない。
その中で日本人として耳の痛い話がたくさんあるのは確かだ。

でも、今回の講義は日本の看板に対する研究の深さや、看板のデザインの優秀さなど、日本人としての自尊心を高めてくれるものだった。

韓国での昔の写真を紹介しながら、洋品店のレトロっぽいフォントを「こういう漢字のフォントデザインはこの頃の韓国にはありえなかった」とか、仁丹の看板を見せながら「美しいデザインだ」といったり、それに対して参加者たちも異論を唱える人はいなかった。


講義の最後に紹介されていた柳宗理の言葉がとても共感したので紹介しよう。

「健全なモノは健全な社会に宿る」

これを少し意訳して「よいデザインは安定した社会によってつくられる」と紹介していた。

韓国は今まで経済的にも政治的にも安定していなかったし、今でも安定しているとは言い難い状態にある。そして、経済だけでなはく、人の心がまだ安定していない状態だ。

しかし、国民の生活が安定してきた今、そしてクァク氏のような人たちが出てきた今、看板の文化はこれからどんどん変わっていくのではないかという希望を感じさせる時間となった。


看板の話を聞いて、実際に韓国の看板がどうなっているのか、もう一度見てみようと思っていたら、ソウル駅前のソウルスクエアビルに巨大な広告がかかっていた。…と思ったら、事務所の電気だ。
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後でニュースを検索してみると、LGが使っている階で行っている「残業しないで早く帰りましょう」という「ハッピートゥギャザー・タイム・キャンペーン」の一環としてやっているらしい。
でも、写真を見ると字の部分以外でも消えてないところがけっこうあるなあ。徹底されてないじゃん!
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by matchino | 2013-11-27 23:46 | Comments(0)

金蘭基氏の講演「近代の路地風景 〜 路地は都市の毛細血管である」

最近Facebookの友達になった「韓国古建築散歩」のりうめいさんが紹介してくださった金蘭基(キム・ランギ)氏の講義があるということでさっそく申し込んだ。
まず、金蘭基氏について紹介すると、路地の文化を研究し、路地の保存を訴えている方だ。といっても今回の講演を聴くまではどんな方なのかもよく知らなかった。

講演の方は、「デザイン評論家、チェ・ボムと行く文化探訪」のパート3「近代漫談」とシリーズの中での「近代の路地風景 〜 路地は都市の毛細血管である」という題名で行われた。

講演が行われたのは旧ソウル駅舎の2階で、この建物は今は「文化駅ソウル284」という名前で美術館として使われている。
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時間になる前に、金氏が話を始めた。
まず、「皆さんの意見を聞きたい」といって、この建物をどうしたらいいと思うかと訊く。この建物は日本人によって建てられたものとして、取り壊そうという意見もある中、文化的スペースとして使おうということで美術館になっているが、金氏の意見は思ってもみない使い方だった。
列車の駅として、再び使おうというのだ。もちろん、乗客数などを考えると不便ではあるが、その不便さも克服できるくらいの余裕が欲しいということだった。
また、趣のある建築を駅舎として使うことによって、現在ソウル駅の中にあるロッテマートのような商業施設は出て行かざるを得なくなるのではないかということだった。
現実味のない発想だといってしまうとそうかもしれないが、考え方の方向性ははっきりしているし、この後の話を聞いていても非常に一貫性があっていい。
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さて、乗っけから少し過激な発言で始まったこの日の講演は、デザイン評論家のチェ・ボム氏が仕切り直して始まった。
まず、第1部は金氏の路地踏査に関する話で、第2部はチェ氏との対談という順序で進められた。

正直なところ、第1部では昔の姿をそのまま残そうという、そういう考え方なのかと思った。確かに昔の姿が残っている路地は残したいと思うが、既に変わってしまった街の、昔の姿がどうだったかということを研究したからといって何の意味があるのかという疑問がある。
しかし、第2部の対談は路地に対する金氏の考えがよく分かり、とても共感できた。
チェ氏が投げかける金氏に対する質問と、それに対する回答と、またそれに対するコメントの一つひとつが共感できる内容だった。
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金氏の主張は次のようなものだ。
道には二つあって、道路と路地がある。道路は前へ前へと進んで行くことを強要される道だ。現代社会は道路のような社会だといえる。前へ前へと進む競争社会で、立ち止まったら後ろからクラクションを鳴らされる、止まることが許されない社会だ。
それに対し、路地はそこにとどまる道だ。そこで遊ぶこともでき、休むこともでき、近所の人たちとの交流が行われるところだ。
人は家を含めた路地で生活し、路地の外の社会に出て、また路地へと帰ってくる。

最近、路地がなくなってしまっているが、既になくなってしまった所は仕方がないとしても、今ある路地を保存しようというのが金氏の主張だ。そして、失われたコミュニティーの機能を回復しようというのだ。

しかし、それに対する反論もあった。
昔の路地というと、汚い、不便だ、犯罪の巣窟だ、といったイメージがあり、実際にそういう例があることは確かだ。
それに対して金氏が代案として出すのが日本の路地の姿だ。
韓国の路地を「コルモク」というが、金氏は「日本ではコルモクのことを『路地』といいます。その他にも『〜坂』といういい方もあります」と話しながら、日本の路地を見てきたときのことを話した。
日本の路地はとてもきれいで、住民が掃除をしながらお互いに助け合って、その路地を住みやすく、美しく保っている姿を見たというのだ。
だから、韓国の路地の良さをそのまま残しながら、より住みやすい姿をつくっていく必要があるのではないかということだった。

また、路地に対する批判としてこのような意見も出た。
特に急な坂が多い路地は老人にとって不便で、大きな事故につながりかねないというのだ。
しかし、金氏は「それはそれでいいのではないか」というのだ。
昔はどこでも不便だったのだし、路地を残すことによる利点を考えると、それは重要なことではないというのだ。
安全とか便利ということは至上のことであるかのように語られて、それに反対する人は悪者のように思われるような現代社会の中で、より本質を見極めている方なのだと思う。話を聞いていてとても気持ちがよかった。

建築家だった金氏は、コルビジェやミースなど、西洋の建築家を信奉しながら一生懸命勉強していたが、それとは打って変わって、「建築」ではなく、「道」の方に関心が傾き始めた。チェ氏の言葉を借りれば、「ポジ」の部分から「ネガ」の部分に関心が行くようになったのだという。
私も今まで路地を歩いてきたけれど、金氏がどんな視点で路地を見るのかが気になる。
講演の中で金氏は「路地のよさは実際に歩いてみないと分からない」と語った。
それで、今週の末に金氏が主催する街歩きイベント「一緒に歩こう! 燃える漢陽都城」に参加することにした。
天気予報は雨。どんな街歩きになるのか楽しみだ…。
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by matchino | 2013-11-05 22:51 | 建築 | Comments(0)

ハイソウル・フェスティバル「破片の山」

ハイソウル・フェスティバル4日目、ソウル市立美術館の前で行われたパフォーマンス、「破片の山」を見てきた。
これは美術館のレンガ造りの壁にやぐらを建てて、吊るしたロープでアートサーカスのようなパフォーマンスを行うもの。
去年のフェスティバルで同じようなパフォーマンスを見て感動したので、今年ももう一度見てみたかったのだ。

公演が始まる前から壁には、ビームプロジェクトによって、水彩画のような映像が映し出されている。
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やがて韓国人と思われる女性が二人登場してダンスを始めた。現代舞踊的なダンスだ。
両側のやぐらの上にはそれぞれ西洋人の男性と女性が現れ、吊るされた紐を伝って逆さになって降りてきた。
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彼らも一緒にダンスを始めたが、体格や身体の動きが前の二人とはまったく違って美しい。それだけでも美しいのに、そこにさらに映像が重ねられて息を飲むような美しさだ。
そして、二人の西洋人は紐を伝って登り、空中でダンスを始めた。
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他の二人の力を借りて左右に振れたり、壁に足をついて立ってアクロバティックなダンスをしたりしている。
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この壁に足をついて立って、宙返りしたりするパフォーマンスは何回も見たことがあるけれど、今回のものはずっとアクロバティックで、さらに動きが美しかった。
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また、ビームプロジェクトで投影される映像が美しい。特にこのたくさんのドットが人について動き回る映像が一番気に入った。
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去年見たものが終始飽きさせなかったのに比べると、東洋人の二人のダンスのあたりなどはちょっと飽きさせてしまう部分もあった。
もちろん、素晴らしい公演なのだけれど、毎年すごいものを見ているのでちょっとのことでは驚かなくなってきたのかも。
でもきれいだったし、観てよかったなと。
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by matchino | 2013-10-18 21:51 | イベント | Comments(0)

ハイソウル・フェスティバルでの「搬入プロジェクト」

超多忙で上げられなかったが、ハイソウル・フェスティバル2013の話。
今年は10月2日から5日まで行われたが、10月3日は開天節でお休みなので、末っ子を抱っこして出かけた。
プログラムを見て興味を持ったのは、「搬入プロジェクト」という公演。日本の「悪魔のしるし」というチームによるものだそうだ。

ソウル市庁の前に行くと、カクカクと折れ曲がった黒いオブジェが置かれている。
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開始時間になると、このプロジェクトを企画したアーティストの危口氏が説明を始めた。
「ソウル市庁の中に設置するオブジェを間違えて外に作ってしまいました。これを皆さんで力を合わせて中に入れましょう」というのだ。
そして、市庁の入り口の模型とこのオブジェの模型を使って、搬入の方法のブリーフィングを行った。あっちを上げたりこっちを上げたり回転させたりして、なんとか搬入するのだ。
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説明をする建築家の石川卓磨氏。

スタッフの指示に従って、現地のボランティアと見に来た市民みんなで持ち上げてプロジェクト開始。
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まず頭を入れて、ある程度入れたら回転させて、少しずつ動かしていく。言葉で説明するのは簡単だけれど、そう簡単には入らない。
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20分くらいかかってやっとドアを通過した。参加者たちの拍手と歓声が上がる。
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でも、その時、スタッフが「オブジェを置く位置はここではないのでそこまで運びましょう。さっきと同じでは面白くないので、今度は尻尾から出してみましょう」という。

なに! 出すだと⁉︎

そう。今度は市庁の反対側の出入り口から「搬出」するというのだ。
というわけで、建物の中のさまざまな障害物を避けながら、出口の前まで運んだ。

さあ、もう一度挑戦だ、と尻尾を入れた時点で止まってしまった。なんとドアの片方が開かないというのだ。普段使わないドアのため、開かなくなってしまったらしい。
市庁の職員がなんとか開けようとするけれど、なかなか開かない。それで一度解散して30分後に集合することになった。

その休憩時間を使って、日本から来たスタッフにいろいろと聞いてみた。
このプロジェクトを始めたきっかけは、プロジェクトリーダーである危口氏の経験によるものだという。
演劇の演出家である彼は、生活のために工事現場で働いていた。そこで働く人たちが大きな資材を運び、搬入する技術に感動し、そこに面白さを発見したのだという。
それで、同じ大学の卒業生である建築家の石川卓摩氏に呼びかけてこのパフォーマンスを始めたのだという。
皆、これを仕事ではなく趣味でやっているため、このプロジェクトを海外でやるとなると、会社に頭を下げて休暇をもらって来なければならない人もいる。それでもこのプロジェクトが楽しくてやっているようだ。
このオブジェをどのように設計するのかと聞いてみると、1週間前に現地を下見してドアのサイズを測って模型を作り、建築家がオブジェの設計をするのだそうだ。それを木工技術者が現場でベニヤを組み上げるという。
今回のようなハプニングはけっこう起こるものなのかと聞いてみると、しょっちゅういろいろな形で起こるのだという。最初の頃はオブジェが壊れてしまうこともあったという。でも、すべてのハプニングを楽しんでいた。

さて、開かなかったドアの方は、実は30分後に再開しようと解散した5分後に開いていたが、人を探しに行くと皆どこかへ行ってしまっていたので、30分後に再開することになった。
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出す方は入れる時よりもてまどった。入口より狭かったのだろうか。あっちを上げ、回転させてを何度も繰り返して、なんとか出すことに成功した!
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と思ったら、「これが最後の最後です。地下に下ろしましょう」という。子供もぐずり始めたので帰ろうかと思ったけれど、最後まで付き合うことにした。
スタッフが子供たちを集めて、「君たちに重要な任務をやってもらう。階段の下におりて指示を出してくれ」と。最後まで楽しい演出をしてくれる。
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階段を降ろすのもけっこうたいへんだったが、なんとか降ろしてやっと終了。
ふう。見ている方もたいへんだ。
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でも、やっていることはたいへんだし、うまくいかないと怒鳴ってしまいそうな状況になるのではないかと思ったけれど、まったくそのようなことはなかった。スタッフは終始笑顔で、このプロジェクトを楽しんでいる。
終始「楽しむ」というモードでリードしていたので、参加者皆が楽しめるプロジェクトになったのではないだろうか。
また、参加者同士でたいへんなことを一緒に成し遂げたということによる一体感みたいなものが生まれたんではないだろうか。
このプロジェクト、韓国では2回目で、2年前に白南準(ナムジュン・パイク)アートセンターで行ったことがあるという。
そのためだろうか、リーダーの危口氏は簡単な韓国語は知っていて、「オルンチョク(右)! 」とか、「シゲパンデバンヒャン(時計と逆回り)!」とか韓国語で指示したりもして、参加者たちの好感を買っていた。
個人的には日本と韓国両国の人が力を合わせてたいへんなことを成し遂げたというのが嬉しい。
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このオブジェを作った木工担当のスタッフと記念撮影。彼の名前を聞くのを忘れた…。
最初から最後まで笑顔が素晴らしかった。
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by matchino | 2013-10-14 21:53 | イベント | Comments(4)

果川祝祭2013・番外編

果川祝祭に行ってきていつも苦労するのは家から遠いことだ。地下鉄4号線に乗っていけばいいのでソウルからは行きやすいのだけれど、私が住んでいる九里市からは地下鉄を乗り継いで1時間半かかるので、ちょっとした苦労は伴う。
まあ、それも趣味のためなのでちっとも苦労にはならないのだが、子供を連れて行くとなると話は違ってくる。特に今回は1歳になったばかりの乳飲み子を連れて行ったのでなおさらだ。

行きはまだよかった。ずっと眠っていたから。到着したら目が覚めて、1時間ほどの公演の途中からぐずり始めた。なんとかなだめながら最後まで見た。

この日は雨が降っていて、傘をさしながら、寒くならないようにバスタオルでくるみながらでたいへんだった。
だいたいこんなことしていると、おばちゃんたちに「こんな小さな子供連れて何してるの!」と怒られたりするのだけれど、今回は隣にいたおばちゃんが傘を差してくれたりして助けてくれた。
雨が降ってるのにたくさんの人がレインコートを着て見に来ているので、お祭り気分になっていたのかもしれない。
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果川祝祭の会場。満月のように浮かぶバルーンが会場を異次元のような雰囲気に変える。


でも帰りがたいへんだった。
乗り換えるまではそれほどぐずらなかったのだけれど、乗り換えてからは泣き出した。
周りの人たちがあやしてくれると泣き止んだりもするけれど、本格的に人がたくさん乗ってくると泣きやまなくなった。
鉄面皮になって最後まで乗るつもりだったが、おせっかいなおじいさんが「窮屈だから泣いてるんだよ。さあさあ皆さん、場所を開けてあげましょう!」とか言い出した。
満員電車の中でそんなことできるはずもない。子供が泣いてるのだけでも申し訳ないのに、こんな状況になったら降りるしかない。
仕方なく途中下車。
近くのバス停からなんとかバスに乗った。
バスに乗っても少し泣いたけれど、いつの間にか寝ていた。
やっぱり車の振動って眠りを誘うんだなあ。
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私の胸ですやすやと眠る娘。写真は他の日に撮影。


それでなんとか無事に到着。
雨の日に赤ちゃん連れ出して!とかおばあちゃんに怒られるかと思ったけれど、私の無謀な行動に対する免疫ができたのか、おとがめなし。

というわけで、私の趣味は子供たちの犠牲の上で成り立っている。
子供たちよ、こんな父親ですまない。
でも、一人で遊びに行く父親よりはマシだろう?
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by matchino | 2013-09-30 20:50 | イベント | Comments(0)

野外公演の祭典「果川祝祭2013」

年に一度のこのときがやってきた。野外公演の祭典、「果川祝祭」だ。
今年は9月25日から29日まで開かれ、土曜日に行こうと計画していた。
が、なんとこの日は午後から雨!
中止になっているかもしれないけれど、行かないと気が済まない。
それで1歳になったばかりの娘を抱っこして行ってきた。

今回、これだけは見たいと思っていたのが、フランスのチームによる「鉄の大聖堂」という作品。重機を使ったパフォーマンスのようだ。
祝祭会場は果川駅と政府果川庁舎駅の間のさまざまな所で行われている。調べずに行ったら、「鉄の大聖堂」の行われる会場は地下鉄を降りたところの正反対の位置にあるという。
雨も降る中を子供を抱っこして行ってみたが、パフォーマンスチームと祝祭のスタッフが深刻そうに話をしている。もしやと思ったが、スタッフの一人が誰かと電話で話しているのを聞くと「中止になりました」と言っている。
えー! 残念!
雨のため、危険だということで中止になったということだ。
この作品、日曜日にはないのでもう見られない。
平日の夜にでも来ていればよかった!

さて、このまま帰るのも悔しいので、もと来た道を引き返し、中央広場へと向かう。
ちょうど中央広場に着いた頃、舞台の前に人が集まっていた。
椅子が並べられている脇に陣取ると、「10分後にフランスのチーム『lucamoros』による『空の紙』が行われます」というアナウンスが流れた。
前には3×3の正方形の幕が張られたやぐらが組まれている。
その脇にあるテントで一人の男がウッドベースを演奏し始めた。
ベースのミニマルなフレーズが演奏される中、幕の後ろに人影が動いているのが見えた。
さあ、始まりだ。
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その人影は、ローラーで半透明の幕の裏側に白いペンキを塗り始めた。
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照明によって照らし出された白い円も幻想的だったが、そこに今度は黒いペンキを塗り始めた。何がおこるのかと思っていたら、だんだんとどこかの古代文明の壁画のような絵が描かれていくのが分かった。
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失われた文明に対する彼らの主張を盛り込んだ絵画で、即興で描かれるすばらしいグラフィック作品だった。
しかし、完成したと思ったらすぐにビニールの幕ははがされて捨てられる。
彼らのパフォーマンスの方法なのだ。
この後もベースやギターで原始的なフレーズを奏で、彼らの主張に関する演説をしながら9枚のビニールの幕に絵を描いた。カラーの絵もあり、白黒の絵もあり、テキストも書かれ(裏から書くので、こちらから読めるように反対に書いている!)、センスのいいグラフィックが出来上がる。
そして完成した瞬間に、描かれたビニールははがして捨ててしまう。



すばらしいパフォーマンスだった。
韓国にアクションドローイング「HERO」というパフォーマンスがあり、その一部を見たことがあるが、個人的には今回見たパフォーマンスの方が好みだ。
描かれるグラフィックも素晴らしいけれど、脇で演奏されているベースも面白い。
さまざまな演奏方法で不思議な音を作り出し、雰囲気を盛り上げていた。
このパフォーマンスも金曜日と土曜日の2回だけだったが、来週に行われるハイソウル・フェスティバルでも披露されるので、気になった人はぜひ!

終わったのが8時半。まだまだたくさんの公演が行われ、今回の目玉である大型公演も残っていたけれど、子供が泣き始めるし、雨は止まないしで退散。地下鉄で1時間半の帰途についた。
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by matchino | 2013-09-29 21:02 | イベント | Comments(0)