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ちょっと残念「水原華城国際演劇祭」

水原華城といえば外国人観光客が多く訪れる華城行宮が有名だが、その華城行宮で「水原華城国際演劇祭」が開かれた。演劇というからあの演劇かと思ったら、果川祝祭と同じような野外公演の祭りだとうことで、末っ子をおんぶして妻と一緒に行ってきた。
私が住む京畿道九里市から華城行宮まではバスで1時間半。待ち時間まで合わせると2時間くらいかかる。ちょっとたいへんではあったけれど、行かずにいたら絶対に後悔するので意を決してバスに乗り込んだ。
華城行宮の前の広場には幾つものテントが張られ、ステージ用意されているけれど、思ったよりも人はまばらだし、祭りの雰囲気も散漫な感じ。果川祝祭と比べたらいけなかったかな…。

この日の一番の目的は「ナチュラル・スピリット」というブロックバスター公演。夜8時半から行われるこの日の目玉公演だ。本当は、パフォーマーたちが気球に乗って観客の上を飛び回る「色彩の飛翔」という閉幕公演を見たかったけれど、日曜日の夜で、帰ってきたら遅くなりそうなので、下見も兼ねて行ってみることにしたのだ。

常にどこかで公演が行われている果川祝祭と違って、ここではゆるーい感じで、本当に祝祭の期間中なのかと思うくらいだ。インフォメーションブースで「次にある公演は何ですか?」と訊いてみても、「フリンジ公演はずっとやっていて、6時からは○○○○がありますよ」って、超絶に親切な情報。要するに本格的な公演は夕方かららしい。

手持ち無沙汰になってふらふらしていると、「10分後にナチュラル・スピリットのリハーサルがあります」というアナウンス。それでしばらく待っていたら、舞台の前でリハーサルが始まった。
巨人が動いて話し始めたり、大きな馬が走り回って、背中に乗ったデーモン小暮的な女性が布を振り回して踊ったり、大きな鳥が観客の上を飛び回って、その下に吊るされたリングで男性がアクロバットをしたり、ほとんど全部見せてしまうリハーサルだった。
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「今夜8時半から本公演がありますので、ぜひ見てください」というアナウンスはあったけど、全部見せちゃうかー。確かに夜の闇の中で照明に照らされて、ちゃんと衣装を着てやるんだからそれは圧巻だろうけど、全部ネタばらしちゃったら楽しみは半減どころか激減しないかなあ?実際、私たちも「全部見たし、夜遅くなるから見ないで帰ろ」ということになった。
それにしても、果川祝祭ではリハーサルなんかはどうやってるんだろう?数日前にやったりするんだろうか?

リハーサルの途中に少し抜けて観たのが、映像室で上映されていた「I Spy」という映像作品。ほとんど音がないアニメーション作品で、確かに映像は美しいんだけれど、ちょっと退屈。映写の仕方もプロジェクターにつないだコンピューターからの映像で、なんかありがたみもぜんぜんない。最初のあたりはプレーヤーのインターフェースが見えていたりして、進行もひどいものだった。
Vimeoなんかで秀麗なアニメーションが無料でいくらでも見られるのに、わざわざ短編アニメーションを見せるってのはどうなんだろう?

残念なところがたくさんの祭りだったけれど、まあまあよかったなと思えたのが、韓国国内の公演団の作品「豚の宴」だった。ある二つの村で繰り広げられる男女のラブストーリーなのだが、そこに豚がやってきて、村は騒々しくなる。
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観客まで巻き込んで騒ぎを起こし、観客はわけが分からないままに楽しむが、実はその豚、富によって村人をたぶらかし、個人主義の奴隷にしてしまうのだった。韓国の社会の問題を痛烈に批判する内容で、ちょっと悲しい後味を残す作品だった。演出はよくできていて、長い布がよく登場するのだが、布が風に翻る姿がなんとも美しい。

後で検索してみたら、祝祭自体は酷評されていた。やはり果川祝祭を待つしかないのか…。

と思っていたら、さらにバッドニュースが入ってきた。
果川祝祭が大幅に縮小! 海外公演キャンセル!
なんだそれは!
たぶん、市長が変わったことで政策が変わってしまったんだろう。
で、縮小の理由は、海外公演を呼ぶのに相当なお金がかかるが、一般市民には理解しにくい難解な内容が多いということだった。
確かにそうかもしれない。難解でもいいとは思うのだが、一昨年観た作品のようにバイオレンスだったり、性的表現がもろにあったりして、これは18禁じゃないかと思う作品もあったため、それが問題になったんじゃないだろうか。
それでも18回も続いてきた祭りを止めてしまうのはあまりにも惜しい。その代わりにやるのは競馬場関係の祭りというし、果川、どうなってるんだ!

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by matchino | 2014-08-19 21:49 | イベント | Comments(0)

国立現代美術館ソウル館の「若い建築家プログラム」

7月8日、国立現代美術館ソウル館の中庭に新しい構造物が姿を現した。
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ニューヨーク近代美術館(MoMA)が1998年から開催している「若い建築家プログラム」をヒュンダイカードとの協賛で、韓国で実現したものだ。
見に行かないとと思っていたところ、知り合いが、「子供たちが遊べるトランポリンもあるよ」と教えてくれたので、子供たちを連れて行ってきた。

誰かが「ニンニクみたいだ」と話していた風船の群れが、中庭の片隅に並んでいる。風船の間には木で作られた橋が掛けられて、風船を上から眺めることができる。橋は中庭から登って、10mほどの段差のある宗親府の前の庭に繋がっている。
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庭や橋の手すりにはミストを発生させる装置があって、あたりは薄い霧がかかっている。
もともと四角い石が敷かれている庭だが、風船の下は芝生が敷かれており、風船も芝生から生えているので、どうなっているのだろうかと気になる。
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数日前にFB友達が上げていたこのプログラムの制作秘話を読んでみた。
この建造物は「ムンジバン」という建築家グループの「神仙遊び(シンソンノルム)」という作品。
この美術館の特徴の一つが、様々な時代の意味深い建物が集まった場所であるということで、宗親府とキムサの建物が残っており、目の前には景福宮があるが、その中で、宗親府とキムサと新しい建物をつなぐ雲を作ろうというコンセプトだ。仙人が住むような雲の上の世界をイメージした。
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雲の素材はさまざまな意見が検討されたが、エアバルーンに決まった。このニンニクのような風船は雲だったのだ。確かに橋の上に登ると雲に見えなくもない。
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そして、芝生の所々には花が植えられ、ミストによって雲の上にいるような感覚を演出したという。
でも、人は多いし、雲の間から建物が見えるし、雲の上のような感覚はあんまりしないなあ…。
テキストを読んでみると、いろいろと試行錯誤したんだということは分かった。たとえば、四角い石を取り除いて空気を送るホースを埋設し、その上に芝生を植えたんだという。橋も軽さを最大限に感じさせるために木造にし、季節柄、台風にも耐えられるように構造を工夫した。
浮遊感を表現するためにトランポリンを二つ設置して、観覧客が跳ねて遊べるようになっている。
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コンセプトは面白いし、限られた予算の中で安全性にも問題がなく、その雰囲気を感じさせるような構造物を創り出した。でも、だからこそ、もう少し幻想的な雰囲気を創り出してもよかったんじゃないだろうか…。金重業博物館の庭に設置されていたような、一寸先も見えなくなるくらいの霧を発生させるとか…。
まあ、周りの建物が背景になっていることがコンセプトなので、見えることも必要なのかも知れないけれど。
それでも若い建築家に実験的な建築を作らせるというこのプロジェクト自体は面白い。今回の優勝したこの作品の他、次点となった2作品も館内に展示されているというので、また時間をとって行ってみよう。
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by matchino | 2014-08-10 21:09 | 展覧会 | Comments(0)