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アジア現代美術プロジェクト「City Net Asia 2011」

e0160774_11275774.jpg最近、旅行したくてたまらない。それでか、今日見てきたソウル市立美術館の展示「City Net Asia」は旅行のような楽しみを与えてくれた。
アジア各国の美術館がキュレーションした作品を集めて行われる展示だ。ソウル、ジャカルタ、金沢、バンコクの4ヶ都市それぞれの展示室をつくり、そこで起きた災害をモチーフにした作品が展示されていた。災害に対する考え方や対し方も国ごとに違い、国民性のようなものも感じられて興味深い。

ジャカルタと金沢の部屋が私にとっては共感したが、その中で旅行について考えたというのは、インドネシアの作家の作品。ある人の生活についてインタビューをしながらジャカルタの風景を映し出すビデオ作品なのだが、その国に旅行に来ているような感覚を与えられたのだ。
その横に、現地のマーケットを再現したようなインスタレーションがあったためかもしれないが、映像だけでは感じられない現地の空気のようなものまで感じられたのだ。実際に旅行の途中で現地の人と交流したような感覚。今回の展示で都市ごとに分けて展示されていたのも、そのような感覚を与えられた原因かもしれない。

あと面白かったのは、ジャカルタの移動式映像装置と、生活雑貨を使った人形劇のような作品。津波の被害を受けた人たちの精神的治癒のために、移動式映像装置をつくったり、子供たちを集めてテレビを模した箱の中で人形劇のようなパフォーマンスをしたり。被災民に対する具体的な支援がとても暖かい。
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その人形劇の中で作家は子供たちに「みんなが知ってるテレビは実物じゃないものを映すニセモノのテレビだよ。これは実際のものを見せるホントの3Dテレビだよー」という投げかけしたり、小道具などの劇の演出も面白く、大人でも楽しめるようなものだった。
また、子供たちの反応が興味深い。9・11テロの話をするのだが、子供たちとの対話はこんな感じだ。
「アメリカの高ーいビルディングは何かなー?」
「WTCー!!」
「そこに飛行機が突っ込んで、建物は倒れてしまいました。怒ったのは誰かなー?」
「アッラー!!」
「そうだねー。それからアメリカが怒ったよねー」

というふうに進んでいくのだが、イスラム教圏でも9・11テロに対して「アッラーが怒っている」という認識なんだなあ、と意外に思った。

金沢からの作品は核や原子力などに関する作品が多かった。chim↑pomやヤノベ・ケンジの作品なんかは3・11以降の日本の状況をさらによく反映した作品として韓国でも注目を浴びているようだ。でも、インドネシアの作家たちの社会へのアプローチと違ってとてもアイロニカルで否定的だ。日本人として共感できなくもないんだけど。

あとはバンコクからの作品だが、時間がなくてさっとしか見られなかった。残念。
で、ソウルからの作品は、暗い社会問題や個人的な感覚に根ざしたものが多いように感じた。韓国に対する世界の認識が変わりつつあるが、その中に住む人たちの現実感というものはまだまだ暗いものなのかもしれない。

オーディオガイドを聞きながら回ったが、以前よりオーディオガイドの時間が長くなったように感じる。作家の他の作品の紹介もあったりして、どのような脈絡でこの作品がつくられているのかなどについても説明してくれる。
chim↑pomの作品は今回初めて見たが、説明を聞いていると、なんか気になってきて、帰ってから検索してみた。彼らのパフォーマンス(?)に同意はできないけれど、関心を持たせるには充分なオーディオガイドだった。最近は気になったものがあれば検索して広げることができるから、オーディオガイドなんかもそれを狙っているところもあるのかなあ。また、作品自体も社会問題と連携して、また、作家の中で流れを持って作られているものであるため、そういう意味も含めて、大きな流れを持った一連の行為、動き、人生そのものが作品になっているといったほうがいいかもしれない。そこに観客を巻き込んでいくということであるとするならば、「芸術によって世界を変えることができる」という主張もあり得るのではないだろうか。まあ、そのためにはもっと大きな流れを作らないといけないのだけれど。でも、昔よりはより社会の人たちが芸術に関心を持ち始めた今、それが可能な時は近づいているのかもしれない。

1時間くらいではじっくり見られないほどの充実した展示だった。夜8時まで開いているんだから、仕事帰りにでも寄ったらよかったなあ。展示は11月7日まで行われているので、また寄ってもいいか。
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by matchino | 2011-10-29 11:29 | 展覧会 | Comments(0)

国軍機務司令部ツアープログラム

国軍機務司令部(キムサ)の跡地が国立現代美術館のソウル分館として工事が進んでいる。
元キムサの廃墟のような建物で2回の美術展が開かれたが、工事が始まってからは静かだった。
ところが、先週、一通のメールが送られてきた。
キムサから送られてきた国家機密情報…ではなく、UUL国立ソウル美術館(という名前になるらしい)の建築工事を始めるにあたって、建築現場を公開するツアープログラムを企画したという。
ソウル館建立運営チーム長や建築家が建物について、美術館の運営について説明し、アイデアを聴取する機会を作るとのこと。
先日、国立現代美術館の年間会員になったので、イベントのニュースが送られてきたのだ。
さっそく申し込んだら、建築家と学芸員が来る日に当たった。
最近、美術をはじめ、芸術に対する関心がすごく高まっている。
いろいろな興味深いイベントがたくさん行われるのはいいことだぞ。
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by matchino | 2011-10-25 20:43 | イベント | Comments(0)

韓国民俗村に行ってきた

韓国に「多文化家庭」という言葉がある。外国人や元在外同胞と韓国人との家庭のこと。最近、多文化家庭が多くなって、いろいろな社会問題が出てきている。特に多文化家庭の子どもたちが差別されたり、友達とうまくつきあえなかったりすることがあり、社会的にも福祉の対象になっていたりする。
うちの家族も「多文化家庭」なのだが、政府の福祉の対象になっていて、その恵みに預かったりしている。何かというと、子どもたちの学校で、いろいろな所に無料で遊びに連れていってくれる、というわけだ。
今日は京畿道龍仁市にある韓国民俗村に行ってきた。
民俗村ってのは各地にあって、長く住んでいる人からいうと、そんなに面白いものでもないのだけれど、紅葉狩りも兼ねて家族で行くことにした。

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昔の遊びに興じたり、ロバの引く車に乗ったり、子どもたちは楽しんでいた。

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紅葉も一番いい時期で、大人もけっこう楽しめた。

隣にある遊園地のチケットも2枚ずつもらった。

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で、遊園地にあった鉄道駅。
どこかで見たような建物だと思ったら、旧ソウル駅舎を模した建物だ。
駅舎としては一番なじみの深いものなんだろうなあ。
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by matchino | 2011-10-23 22:49 | 旅行 | Comments(0)

栗林隆の個展「In Between」

ビヨンド・ミュージアムで今日まで開かれていた、栗林隆の「In Between」展を見に行って来た。
展示の写真を見て期待していたが、その期待に応える面白い展示だった。
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まず、展示室に入ると1階の展示室に入るといっぱいにインスタレーションがつくられている。
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和紙と針がねで白い林を再現しているのだが、雪原から顔を出しているようで楽しい。
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ウサギが穴から顔を出すのはこんな気分なんだろうか。

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他に、熱帯魚の水槽の中に、下から首をつっこめる作品があった。
動物や魚の視点で世界を見つめてみるということなのだろうか。

2階には「屋台トリップ」と題された作品が展示されていた。作家がこの「屋台」と共に韓国、シンガポール、ネパールを旅したのだという。その映像が「屋台」の中に映されている。
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仲間の何人かでの旅の記録は面白く、ずっと見ていても飽きない。「境界線を越えて〜」という歌が耳に残る。特にネパールの4000m地点まで旅した記録はいろいろなことを考えさせられた。彼らと一緒に旅したら面白そうだなあ。
韓国での旅の記録は、2009年のもの。その時も展示のために来たという。「知らなかった〜」と残念に思ったら、キムサでの改装前の展示で出展していたという。それで思い出した。階段を少し登った所から、部屋に広がる雪原を見たことがある! 北との関係や軍事政権に関する怖い作品たちの中で目立たなかったけれど、しっかりと印象には残った作品だった。

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作家がデザインした冷凍庫の中に冷凍保存された地震被災地の植物。

自然をモチーフにした作品はナイーブな感性を持った人を想像させたが、ネパールやシンガポール、韓国での映像を見ると、そういう感じはしない。自然の中で鍛えられたアーティストなんだろう。
これからどんなプロジェクトを展開していくのか楽しみな作家だ。
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by matchino | 2011-10-16 19:01 | 展覧会 | Comments(2)