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大学路の恵化洞聖堂

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数年前に建築の本を読んで、見に行きたくなったのが、切頭山殉教聖地の教会。
建築家・李喜泰氏の設計で、建築の本を読むとたくさん出てくる名前だった。
そして大学路あたりを歩きながら気になったのが、恵化洞聖堂。設計は李喜泰氏。
いつか行ってみようと思っていたところ、時間ができて行ってみた。

地下鉄4号線の恵化駅から北に数分歩くと、東南アジア系の人たちが歩道にテントを張って食材を売っている。恵化洞聖堂に通うフィリピン人たちなんだそうだ。
そのテントの群れを過ぎると間も無く現れるのが恵化洞聖堂。
坂の上に、更に階段の上に聖堂が建っているため、遠くからでも塔や白い壁のレリーフがよく見える。

花崗岩のレリーフは、金世中が原画を描いて張基殷と共に作成した「最後の審判図」で、イエスを中心に4人の福音書の著者たちの象徴が刻まれているんだという。
でも、イエス以外は、羽が生えた動物で、一人は人間の姿をしている。
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どの動物が誰を示しているのか、ネットではそれ以上の詳しい説明は見つからなかった。で、図像学について調べてみて、やっと誰なのか分かった。左から、マルコ(獅子)、ヨハネ(鷲)、マタイ(人間)、ルカ(牛)なんだそうだ。

その左側には花崗岩の白い壁と対比になっているレンガ造りの四角い塔。そこにもレリーフが飾られている。このレリーフは恵化洞教会の守護聖人である聖ベネディクト。

普通、教会建築は左右対称になっていることが多いが、ここは非対称になっている。
前に読んだ本によると、西洋では秩序を重要視するため対称を多用し、韓国の伝統建築ではなるべく非対称になるようにするんだとか。
この教会も、西洋建築でありながらも韓国の伝統を取り入れようという試みがなされた初期の教会建築なんだという。
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正面に三つのドアが付いていて、ドアには四角いガラスがはめ込んである。中に入ってみると、ステンドグラスだった。
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人が少ない時間で照明が点いていないためか、玄関ホールは薄暗くなっていて、ステンドグラスがよく見える。
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礼拝堂のドアをそっと開けると、シスターや信徒たちが何人か祈りを捧げている。一緒に来た娘に「静かにするんだよー」と言って中に入った。

右側のドアから入ると目の前に見えたのがいばらの冠を被ったイエスの像。
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そしてその向こうに信徒席があり、祭壇がある。
祭壇はモザイクタイルで何かが描かれている。空なんだろうか、左の方に太陽が描かれているが、抽象的な絵だ。
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礼拝堂の両側には正方形のステンドグラスが3つずつ。
左側は聖書の物語に関する絵なんだろうか。
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そして右側は鳩と十字架と太極。
韓国を代表するイメージが入っているのも興味深い。
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右側のステンドグラスは黒い部分がはっきりしているのに対し、左側のものは黒のキワがぼかしというか、かすれというか、独特な効果を出している。それで、作家が違うのかと思ったが、李南圭という作家が数年かけて29点作ったんだという。
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娘が静かにしていられる限界が来たので、礼拝堂を出た。
祭壇の横のステンドグラスも見たかったけど、残念。後で調べてみると、祭壇の右側には韓国の103人の殉教者たちの姿が描かれた絵がかかっているらしい。これも次に見に行かないとだな。
後で調べてみると、この聖堂はキリスト教美術の宝庫ともいわれるような所で、著名なキリスト教徒の作家たちの作品がたくさんあるんだという。

建物の外を回ってみると、ステンドグラスの脇に薄いコンクリートの板が突出している。なぜこのような構造になっているのか、ちょっと考えてみた。礼拝堂の中に柱がないため、壁で屋根を支えなければならないけれど、ステンドグラスも大きいので、壁にも荷重をかけられる幅をとるのが難しい。それで、壁の一部を外に突出させて面積を稼ぐことにしたんではないだろうか。誰かに聞いてみよう。
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これは祭壇の右にあるステンドグラスの外側。
機能的な構造なんだろうけれど、なんかいい感じ。

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聖堂を後にし、梨花洞を散歩して帰った。
大学路あたりってなかなかいい建築と路地が多い。
また来よう。

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by matchino | 2015-08-05 22:32 | 建築 | Comments(0)
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