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東仁川散歩 その4 ペダリ

東仁川散歩、さあ、いよいよペダリにやってきた。

今までペダリについて説明していなかったけれど、この地域は、仁川の済物浦をはじめとする港に近い地域が日本の疎開地になることによって追い出された人たちが集まって住んだところ。
ここにマッチ工場、醤油工場、ゴム靴工場などが形成された。
そして朝鮮戦争の後には古本屋街ができ、知識に飢えた人たちが自然に集まるようになったという。

道の向こうに見える水色の建物に、古本屋を兼ねたペダリ案内所がある。
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日本統治時代から残っている建物で、朝興商会と書かれている。
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だいぶ足が疲れてきたので、案内所で「この辺りにカフェがありませんか?」と聞いてみると、案内所の主人がすぐ隣の建物にあるカフェに案内してくれた。

ここは「ヨイルカゲ・多ケンチャナ」という店。その名前は「なんでもありの日替わりの店」といった意味だ。
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日替わりというのは、曜日ごとに店長が変わって、店長のやりたいことをこのカフェでやるというコンセプト。映画鑑賞や手芸、出版、旅行カフェ、ネイルアートなどやってことは様々。
やはり日本統治時代の古い倉庫を改装した店で、建物と建物の隙間に建てられており、三角形の不思議な構造。レンガの壁と木造の天井がなかなかいい味を出している。

カフェのコーヒーやお茶は2000ウォン。これも曜日ごとに違うらしい。一緒に行った古賀さんはコーヒー、私は紅茶を注文。
準備してくれている間に店の棚を見物。これも棚の一段ずつを賃貸してさまざまなグッズを売っているものだという。
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店のコンセプトや建物などはいいんだけど、一つ残念だったのが、出てきたコーヒーがヘーゼルナッツフレーバーだったこと。10年くらい前に韓国社会を席巻したヘーゼルナッツコーヒーは、ソウルがカフェだらけになった今でも絶滅せずに遺っているのだ。笑
もちろん、これはこの日だけのメニューなので、他の日は大丈夫だろう。でも念のため、注文する前に聞いた方がいいかもしれない。

この日、飲み物を準備してくれたのは、ペダリ案内所と「ヨイルカゲ」のオーナー。この人に、この店のことについていろいろと聞いてみた。
この建物、ペダリ案内所である古本屋とヨイルカゲだけではなく、ゲストハウスや「生活史博物館」なども運営しているんだとか。
「生活史博物館」については、「タルトンネ博物館は、タルトンネを更地にしてしまって、そこに建てた『タルトンネの剥製』みたいなものです。でもここは当時の建物からすべてがそのまま残されています」と話した。
また、仁川中区の古い町並みを子供だましの安っぽい壁画で塗りつぶしてしまった「童話マウル」について批判しながら、「市が今度はペダリで私がやっている活動に関心を持ち始めて、話を聞きにくるんです。でも、韓国に乱立している壁画マウルやカフェ通りのようにならないようにするにはどうしたらいいかと悩んでいます」と語った。
他にも「猫が大好きで、4匹飼っています。日本に猫だらけの島があるみたいで、ぜひ行ってみたいんですよねー」とかゆるい話もして、なかなか面白い人だ。今度もまた寄ってみよう。
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もうそろそろタイムアウト。簡単にこの辺りを回ってみた。
ヨイルカゲのオーナーによると、この地域は韓国で3カ所しかない古本屋街のうちの一つなんだそうだ。全盛期は30件くらい古本屋が並んでいたが、それも廃れてしまって今は5〜6件しか残っていないという。

「アベル書籍」という古本屋、ここも本を自由に読める空間があるということを後から知った。次に行ってみよう。
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細い路地に入り込むと、また日本統治時代のものと思われる建物。「大仁商会」とある。
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その路地の隣は「
写真空間ペダリ」というカフェ。知らなくて通り過ぎそうになったけれど、窓際にぶら下がっている小便器に、一瞬「バス・トイレの店かな」と思いながらも、「もしかして、デュシャン!?」と思って見てみると、やっぱりデュシャンの「」のレプリカ(パロディーというべきか?)だった。その隣に解説まで書いてあった。
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なかなか粋なことをする店だと思って入ってみると、知的な雰囲気を漂わせたおじいさんが3人。外にギャラリーの看板があったので訊いてみると、ギターを抱えた一人のおじいさんが「2階にあるよ。ギャラリー見てからここに来な」と。この日は時間がなくてギャラリーしか見られなかったけれど、店の雰囲気とかおじいさんたちの雰囲気とか、とてもいい感じだったので、ここもぜひ再訪したい。

仁川は遠いので、あまり遅くまではいられない。
でも、東仁川、まだまだこれから回るべきところはたくさんありそうだ。

日が沈む。ああ、今日も楽しい旅だった!
次はいつかな?
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by matchino | 2015-04-05 20:20 | 建築 | Comments(0)
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