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国立現代美術館ソウル館の「若い建築家プログラム」

7月8日、国立現代美術館ソウル館の中庭に新しい構造物が姿を現した。
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ニューヨーク近代美術館(MoMA)が1998年から開催している「若い建築家プログラム」をヒュンダイカードとの協賛で、韓国で実現したものだ。
見に行かないとと思っていたところ、知り合いが、「子供たちが遊べるトランポリンもあるよ」と教えてくれたので、子供たちを連れて行ってきた。

誰かが「ニンニクみたいだ」と話していた風船の群れが、中庭の片隅に並んでいる。風船の間には木で作られた橋が掛けられて、風船を上から眺めることができる。橋は中庭から登って、10mほどの段差のある宗親府の前の庭に繋がっている。
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庭や橋の手すりにはミストを発生させる装置があって、あたりは薄い霧がかかっている。
もともと四角い石が敷かれている庭だが、風船の下は芝生が敷かれており、風船も芝生から生えているので、どうなっているのだろうかと気になる。
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数日前にFB友達が上げていたこのプログラムの制作秘話を読んでみた。
この建造物は「ムンジバン」という建築家グループの「神仙遊び(シンソンノルム)」という作品。
この美術館の特徴の一つが、様々な時代の意味深い建物が集まった場所であるということで、宗親府とキムサの建物が残っており、目の前には景福宮があるが、その中で、宗親府とキムサと新しい建物をつなぐ雲を作ろうというコンセプトだ。仙人が住むような雲の上の世界をイメージした。
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雲の素材はさまざまな意見が検討されたが、エアバルーンに決まった。このニンニクのような風船は雲だったのだ。確かに橋の上に登ると雲に見えなくもない。
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そして、芝生の所々には花が植えられ、ミストによって雲の上にいるような感覚を演出したという。
でも、人は多いし、雲の間から建物が見えるし、雲の上のような感覚はあんまりしないなあ…。
テキストを読んでみると、いろいろと試行錯誤したんだということは分かった。たとえば、四角い石を取り除いて空気を送るホースを埋設し、その上に芝生を植えたんだという。橋も軽さを最大限に感じさせるために木造にし、季節柄、台風にも耐えられるように構造を工夫した。
浮遊感を表現するためにトランポリンを二つ設置して、観覧客が跳ねて遊べるようになっている。
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コンセプトは面白いし、限られた予算の中で安全性にも問題がなく、その雰囲気を感じさせるような構造物を創り出した。でも、だからこそ、もう少し幻想的な雰囲気を創り出してもよかったんじゃないだろうか…。金重業博物館の庭に設置されていたような、一寸先も見えなくなるくらいの霧を発生させるとか…。
まあ、周りの建物が背景になっていることがコンセプトなので、見えることも必要なのかも知れないけれど。
それでも若い建築家に実験的な建築を作らせるというこのプロジェクト自体は面白い。今回の優勝したこの作品の他、次点となった2作品も館内に展示されているというので、また時間をとって行ってみよう。
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by matchino | 2014-08-10 21:09 | 展覧会 | Comments(0)
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