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韓国最高の現代建築「空間社屋」のこと

韓国の建築家第1世代の金壽根(キム・スグン)氏の傑作「空間社屋」がアラリオギャラリーへ売却されることが決まった。危機に瀕していたこの建物の行く末が一段落した訳だ。

空間社屋は、専門家が選ぶ現代建築のベスト1に毎年選ばれている名建築。
しかし、空間総合建築事務所が法定管理に入ることによって、社屋が売却されることになっていた。
提示された最低の価格は150億ウォン。
一般の企業が買収した場合、建築が毀損されることが憂慮されていた。
承孝相氏をはじめ、多くの建築家や著名人がこの建築の保存を主張し、登録文化財として登録することも検討しており、申請もされた。50年以上の建築物という登録文化財の基準に満たないものの、文化財庁からは登録することは問題がないだろうという回答もされていた。
しかし、登録文化財になったとしても、通告さえすればこの建物を所有する企業がいくらでも改築することができ、保護のためにはそれでは不十分だと言われていた。
競売の日と決められていたのは11月21日。それまで現代やネイバーが手を挙げたが売却は実現しなかったという。ソウル市やソウル文化財団が買い取るという話も出ていたが、それも実現しなかった。
なんとか建物を守ろうという関係者の間では市民ファンドを立ち上げようという声も出ており、10億ウォンほど集めていたという。

さて、運命の11月21日がやってきた。

結果は?

…流札。

それまでの保存を叫ぶ世論の動きを見たせいだろうか、手を挙げる企業は一つもなかった。

その数日後、「空間社屋、150億で売却」というニュースが入ってきた。
売却先は、天安とソウルにギャラリーを持つアラリオギャラリー。
金壽根氏が設計した部分はそのまま残すという条件で売却が決定したというが、本当に大丈夫なのか、心配ではあった。
その後出てきた記事によると、アラリオギャラリーはこの建物を美術館にする計画だという。
建築に関する展示はもちろん、現代美術の展示も行い、最初の展示は来年の9月になる予定だとのこと。
アラリオギャラリーのキム・チャンイル会長はインタビューの中で、空間社屋が競売に掛けられ、それも流札したというニュースに残念に思い、「衝動買い」してしまったと語る。
建物については、金壽根氏が設計した部分は、「空間 SPACE」という大きな字も含めてそのまま残し、空間総合建築事務所の2代目代表であるチャン・セヤン氏が設計したガラス張りの部分は中を改装して図書館やレストラン、ミュージアムショップとして使用する計画だという。そして「空間」の現代表であるイ・サンリム氏が増築した韓屋の部分は取り壊すが、イ・サンリム氏がロビーの空間を設計をしなおすという。

難しいことは分からないけれど、よい結果になったのではないかと思う。
文化財保護のために150億をポンと出せる財力があったらいいだろうなあとか。

さて、この名建築の前の主人であった空間総合建築事務所、この売却額で無事に法定管理の危機を乗り越えたとのこと。
こちらもめでたしめでたし、と。
来年の9月が楽しみだ。

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少し遠くから見た「空間社屋」。
実はまだ近くから見たことがないという! いつもニアミスなのだ…。
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by matchino | 2013-11-28 22:28 | 建築 | Comments(0)
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