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娘と訪ねる国立現代美術館 その2

前回に引き続き、国立現代美術館で行われていた「若い摸索」展の話。

この展示の最後にあった作品が印象的だった。
そこには「ダウンライト」という会社の製品の展示がなされているのだが、その製品は、催眠術をかける機械らしい。
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デモンストレーションがなされ、展示用のバナーがそれらしく作られている。

機械自体の形はよく作ってあるけれど、内容は昔の映画に出てきたような渦巻きが回る映像に「あなたはだんだん眠ーくなるー」的な音声がついているものだ。
でも、その横には秘密組織でなされていたような実験や研究の道具が展示されており、ダウンライトという会社についての説明があった。

この会社は昔、ドイツ政府(だったかな?)の命を受け、催眠術や洗脳について研究していた秘密組織で、その存在は明らかにされてこなかったが、ここにある資料は日本などに流出した資料を集めたものなのだという。

え、これって本当なの?

展示の説明と同じフォーマットで壁に書かれているからには、展示に対する解説なんだろう。
「…というシチュエーションを仮定して…」みたいな説明が出てくるのを期待したが、最後まで出てこなかった。

でも、なぜこれが美術の展示?と混乱してきたので、そこにいた係りの人に「ここに書いてあるのは事実なんですか?」と聞いてみた。
すると、「これは全部作家が捏造したものです」と。

すべての展示物を見た後にあった、作家に対する説明には、これがすべて作家が捏造した事実であることが書かれていた。

この会社の名前である「ダウンライト(Downliet)自体、「真っ赤な嘘」の英語「downright lie」を縮めたものなんだとか。

なあんだ。これを読まなかったら信じていたかもしれない!
「えー、そんなん嘘でしょ」と思わなかったわけではない。
でも、公共の美術館に「…である」と書かれていたら普通は信じるしかない。

最近、いろいろな陰謀説について聞くが、それと同じ類のものだ。また、その反対に、陰謀を隠すための報道も同じことだ。
私なんかは、基本的にどちらも信じてしまう方だから、すぐに「洗脳」されてしまう。「洗脳」ということ自体も、プロパガンダということはあり得たとしても、この展示にあるような方法での洗脳は嘘だという話も聞いたことがある。

後になって思い出したのだが、催眠術をかける機械を見ている時、目の前に半透明のガラス窓があり、数人の人影が行ったり来たりしていた。
催眠装置を見ている私を誰かが見ているのかと思ったら、その窓の裏には何もなかった。
はっきりとは分からないが、監視されているような感覚を与えるための映像だったのかもしれない。

さて、この「若い摸索」展企は20分ほどで駆け抜けて、他の展示を探した。
さあ、いよいよビル・ビオラ展。
次回に続く!
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by matchino | 2013-07-02 21:29 | 展覧会 | Comments(0)
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