韓国で生活を始めて13年目にして初めてリウム美術館を訪ねた。世界的な3人の建築家による建物があるということで行ってみたいのはやまやまだったのだけれど、今までそれほど惹かれる企画展示がなかったこと、入場料が少し高めなこともあって行ったことがなかったのだ。
でも今回は違った。前から気になっていたアーティストのアニッシュ・カプーアの個展が行われるというのだから行かなければ後悔する。やっと初リウムと初アニッシュ・カプーアが一日にして実現した訳だ。 漢江津駅から歩いてそれほどかからない所に美術館があった。駅から案内板があって見つけやすい。 モダンなガラス張りの建物が並ぶ中、美術館の入口があった。入口から中を見た途端、周りにはない独特でありながら美しい空間が目の前に広がった。右側には広々とした視界を提供する庭園があり、左側にはガラス張りの展示室があって、その間は宮島達夫の作品が埋め込まれた木のスロープがある。 右側の庭にはアニッシュ・カプーアの作品がそびえ立っている。 その作品が左側のガラスに映っている。 リウム美術館は3つの展示館があり、今回の展示はレム・コールハースによって設計された児童文化センターの建物で行われた。村上隆の彫刻の脇から展示室に入ると、右側に「ブラックボックス」といわれる大きな展示室がその威容を見せつけている。この展示室のことは事前に調べてはいたが、これだけのマスを持ったものだとは想像だにできなかった。シャープでありながら重量感のある構造物だ。 その脇にはカプーアの作品一点が展示されている。中がグレーに塗られた直径2mほどの半球型の作品だ。ツヤのあるグレーの塗料で自分の姿が上下反転して映し出されている。 遠くからみると分からないが、近くから見つめていると中に吸い込まれそうな、それでいて目の前に何か新しい世界が開かれているような不思議な感覚だ。 「ブラックボックス」の脇のエスカレーターで降りる。ブラックボックスとガラスの外壁とが成す空間が美しい。 と、ここまでで長くなってしまったので、続きは次回。
by matchino
| 2012-12-18 21:28
| 展覧会
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